未来にふみ出す学びを 子どもたちへ

お知らせ・活動レポート

【みらいzoom2】5年間を終えて芽吹く

2017年04月09日 更新

4月1日にみらいずworksは、創業6年目を迎えました。

 

4畳半で本間莉恵と二人で初めた活動が、じんわりと広がり、ここまで歩みを続けてこられたのは、たくさんの方のご支援、ご賛同、ご協力があってこそです。ありがとうございます。

さて、最近、種を蒔き続けてきたからこそ、芽吹いたエピソードがありました。

 

一つ目:

ある市町村で小中学校のキャリア教育と、教育を支える地域ネットワークが育つ支援をしてきました。

その中から「みらいずworksのような仕事で自分も生活を立てたい」と考える人が出てきたそうです。みらいずworksで修行したいと言ってくださっているとか。ゼロから始まった耕しでしたが、誰かの志のタネになれたのかともと思うと嬉しいです。

 

二つ目:

5年前からある私立高校で社会人や大学生をゲストにお招きし、キャリア教育授業のサポートを続けてきました。

当初、先生方は、“キャリア教育はよくわからないので、プロにお任せします”の雰囲気でした。ですが、先日、5年目のキャリア教育授業の打ち合わせに行ったとき、教頭先生がしみじみと、「やっとみらいずworksのような団体と連携していくことが自然だ、当たり前だと先生が思ってくれるようになりました。最初は外部の人は受け付けないという雰囲気だったけどね。やっとここまできたなという感じがします」と。

 

三つ目:

みらいずworksと関わりたいと岐阜から新潟大学へやってきた角野仁美さん。彼女が大学を卒業し、この4月からみらいずworksの社員として仲間入りしてくれました。「みらいずworksが大好きで、みらいずworksのおかげで人をまるごと信じることの尊さを知りました。そして、どんなことがあっても人と共に豊かに生きていけるという自信が芽生えました」と報告会で話してくれた彼女。彼女の明るさと純粋さにどれほど今まで救われてきただろうかと改めて実感しました。

すでにみらいずworksの理念や精神性をしっかりと受け継いでくれています。これからの成長が楽しみですし、みらいずworksを共に作り出していける仲間たち、新潟の教育や学びを面白くしたいという人たちが増えてきたことは何よりもの喜びです。

 

私たちのようなできて間もない団体と関わり続け、じんわりと教育に変革をおこす流れを一緒につくってくださった、先生方、仲間たちに心から感謝します。

 

そんなみらいずworksが今までも大事にしてきたこと、これからも大事にしていきたいことは、対話の精神(=ファシリテーションマインドの一つ)です。

 

文部科学省 コミュニケーション教育推進会議委員の座長を務めた劇作家の平田オリザさんは、対話についてこのように記しています。

 

対話的な精神とは、異なる価値観を持った人と出会うことで、自分の意見が変わっていくことを潔しとする態度のことである。あるいは、できることなら、異なる価値観を持った人と出会って議論を重ねたことで、自分の考えが変わっていくことに喜びさえも見出す態度だと言ってもいい」(平田オリザ「わかりあえないことから─コミュニケーション能力とは何か」/講談社現代新書)

 

自分のやり方や価値観だけにとらわれず、様々な人と対話する中で、自分の考えを広げ、変化を恐れず、柔軟に歩みを進めていく。

みらいずworksが創業当初から心がけてきた基本姿勢です。

 

学校現場や地域・企業など、立場の違う、所属の違う人たちの対話の場を今までつくってきましたが、その中で大切なのが、共通の「問い」を見つけることだと考えています。

 

「どうしたら子どもたちが自分で考え動くようになるのか」

「地域の人たちと共に地域や社会の担い手を育てるには」

などなど、一緒に探求したい問い、目指したい方向性を共有すること。そして、その問いに向かって共に考え、聴き、問い合っていくこと。

 

その積み重ねが協働を生み出し、信頼関係を築いていくのだと思います。

 

新しいスタートを迎える春、ぜひみなさんも職場や学びの時間において、「対話」の機会をつくってみてはいかがでしょうか。

先日読んだ、東大教授 梶谷真司さんの記事によると

 

問い、考え、語る対話に必要なルールは7つだけ

1:何をいってもいい…空気を読んでいわないという気遣いは不要

2:人を否定したり茶化したりしない…発言が恥ずかしくなったり、わざと注目を浴びるために発言することを防ぐ

3:発言せず、ただ聞いているだけでもいい…話さない自由があってはじめて、何でも話す自由がある

4:お互いに問いかけることが大切…積極的に質問する場であることを確認し、お互い安心して問いかけられるように

5:知識ではなく、自分の経験に即して話す…経験に優劣なし。だれでも対等に話ができる

6:話がまとまらなくても、意見が変わってもいい…何かを決める場ではないので、問題なし

7:わからなくってもいい…わからなくなったのは、理解が深まった証拠

(「プレジデント2016.12.5号」/プレジデント社)

 

こんなルールを共有してから始めると、新しいメンバーもそうでない人も、

平等に、安心して語り合えそうですね。

 

 

壁にぶつかることもありますが、自分たちの考えにとらわれず、

先生方や子どもたち、多様な関係者の皆様と丁寧に対話を重ねながら、

これからも未来にふみ出す学びを子どもたちへ届けてまいります。

 

どうぞ6年目のみらいずworksもよろしくお願いいたします!