【みらいzoom55】「子育て悩み白書2023」を調査して見えてきたこと
2023年05月12日 更新
コロナ禍において、子どもを取り巻く環境は変化をしました。
その中でも、子どもに加え、保護者同士の関わりが減り、悩みを気軽に相談できず孤立している保護者が増えているという実情を知りました。
そこで、保護者のみなさんと学び合う機会や気軽に相談できる関係づくりができないかと、2022年2月よりオンライン子育て学びカフェ「子どもの力を引き出すコミュニケーション」を企画し、合計15回の勉強会や対話会を実施してきました。
私自身、二児(7歳の娘と2歳の息子)であり、保護者のみなさんの悩みや不安は共感することばかりでした。その一方で、保護者だけで解決できない悩み、課題がたくさんあることもわかりました。そこで、他の多くの保護者のみなさんは、どのような悩みや課題を感じているのかを明らかにしたいと考えました。
2023年の1月に新潟市内の小学校16校、中学校15校の合計31校、1863名の保護者のみなさんからアンケートにお答えいただきました。
詳細は、「子育て悩み白書2023」(詳細はこちら)にまとめましたが、今回は、私が印象的に残った結果を3点ご紹介します。
(1)二人に一人がSNSやゲームの使い方で悩んでいる
(2)気軽に相談できる場所や仕組みを求めている
(3)子どもの自立の促し方を学びたい人が多い
(1)二人に一人がSNSやゲームの使い方で悩んでいる
子育てについて、悩んでいる保護者は6割程度でしたが、そのうち、子どものSNSやゲームの使い方で悩んでいる人が56%と一番多くいました。
「ICT端末の体への影響、学習習慣への影響が心配」
「SNSが身近にあるなど、親の子ども時代とは異なる環境での子育てで戸惑う」
などの自由記述がありました。
(2)気軽に相談できる場所や仕組みを求めている
子育ての悩みや不安について、どのように解決しているかについては、配偶者など家族に相談するに次いで、友人や知人に相談する、テレビやネット・SNSの育児情報を参考にする、が多くあがりました。
自由記述では、
「気軽に相談できる場所をつくってほしい」
「保護者同士がつながる場があるといいな」
「学校にメールやフォームなどで相談できるしくみがあると嬉しい」
など、気軽に相談したり、困り事を共感してもらったりする機会を保護者が求めていることが見えてきました。
コロナ禍で授業参観の後に会って立場話をしたり、カフェでおしゃべりをしたりする機会も減った影響がでていると感じました。
(3)子どもの自立の促し方を学びたい人が多い
子育てについてどのようなヒントや知識を得たいですかという問いに対しては、子どもの自立の促し方(家庭でできるキャリア教育)を学びたい人が上位にあがりました。次いで、「社会の変化に対する教育の変化について」「SNSやICT端末を活用する上で必要となるメディアリテラシーもついて」と続きました。
コロナ禍、デジタル化、AIの進展など広域な変化がおきている予測不能な社会において、我が子が自立して生きていけるのか、不安に思っている保護者が多いことが見てとれます。
(私も含めてです!!)
保護者も学びながら、家庭でできる適切な支援をしていきたいという願いを感じ取ることができました。
アンケート結果をふまえた保護者有志を対象とした座談会では、
「保護者も変わっていかなくては社会の変化についていけない」
「保護者自身がどうあるべきかを考えなくては」
「学校では教えてくれないことには、家庭で取り組む」
などの保護者のみなさんがおっしゃっていました。
私も親として、そして、教育支援団体の一員として、
家庭教育をアップデートしていくために、どんな役割を担っていくと良いのか、改めて考える機会となりました。
また、家庭の課題を解決するのは、家庭だけでなく、学校、PTA、行政、地域団体などさまざまです。協働しながら家庭をサポートする体制や家庭教育の充実をはかることが求められています。
この調査結果を踏まえて、教育行政に提言をしてきましたが、今後も家庭教育にかかる関係各所に共有、提案していきます。
加えて、私が委員を務める学校運営協議会においても、この調査結果をふまえて、学校や地域ができることを検討していく予定です。
家庭を孤立させず、みんなで子どもたちを育むしくみや場をともにつくっていきたいです!