【みらいzoom54】家庭や学校で使える 探究学習のスタートブック「ツクルBOOK」を発刊します!
2023年03月31日 更新
この度、探究学習のスタートブック「ツクルBOOK」を制作しました。
探究schoolつくつくの成果と「ツクルBOOK」の制作秘話をご紹介します。
(1)探究schoolつくつくにおける探究について
(2)「ツクルBOOK」制作のきっかけ
(3)「ツクルBOOK」の内容とおすすめ
(1)探究schoolつくつくにおける探究について
2022年4月よりみらいずworksでは、探究school つくつくを開始しました。
開始した願いとしては、探究学習を放課後や家庭にも。
「もっとやってみたい!学びが面白い!」と思う子どもが育つ場をつくりたいということです。
探究schoolつくつくのワークやプロジェクトを通して目指すのは、【自分らしい未来を創造する力】を育むこと。
1年間「つくつく」を運営する中で、 子どもたちが、その子らしい表現をのびのびとしたり、
他の子の探究や表現に相互作用が生まれたり、自分の作品を発表して賞賛してもらったり、いろいろな学びや物語がありました。
その中で、学校に行っていなかった子が「つくつく」で自分の表現に自信を持ち、
「学校に行けるようになる」
「家に帰っても夢中になって自分の探究活動を進めるようになる」
などの変化が生まれていきました。
(2)「ツクルBOOK」制作のきっかけ
従来、探究学習というと、 「学校」でやるもの 「学校」で学ぶものという認識が強かったと思います。
でも、学校だけではなく、 「地域」には探究の種やリアルな情報がたくさんあります。
そして、「家庭」には、保護者という身近な大人がいて、 子どもたちの探究学習が発展する可能性を秘めています。
学校での経験や理解が「地域」や「家庭」での実践や学びとつながり、 「探究学習って面白い!」「もっとチャレンジしてみたい!」と思える子どもたちが増えていくことを目指しています。
しかし、 探究schoolつくつくの保護者の方から、 「家庭でも探究したいけど、どう進めたらいいのかわからない」という声をいただきました。
そこで、 家庭で、親子でできるワークブックをつくりたいと考えました。
また、同じ頃、 小学校のある先生からも
「かつて佐渡市さんと作った『みらい’s NOTE』がほしい。」
「探究学習のベースになる自分を掘り起こすようなワークがやりたい」
というニーズを伺いました。
そこで、家庭だけでなく、学校でも使えるような 探究学習をはじめるときの基本的なステップが身に付くような ワークブックをつくることにしました。
(3)「ツクルBOOK」の内容とおすすめ
「ツクルBOOK」には、学校や家で探究学習をはじめるための 練習ワークがたくさんのっています。
・問いづくりワークシート
・調べるワークシート
・探究のベースとなるワークシート
引き出す質問
自分を知る
自分のスキを見つける
自分の好きをみらいを描く
・ふりかえりワークシート
などです。
探究の主なプロセスである「問いをつくる→情報を集める→考える・まとめる→人に伝える」が体験できるようになっています。
探究学習をする上で 大切となるのは、自分の関心のあるテーマや視点を見つけていくことです。
・自分は何が好きなのか
・自分は何をやってみたいのか
・自分にはどんな良いところがあるのか
など、自分自身を知る必要があります。
「ツクルBOOK」では、 探究学習のベースとなる、 自分を掘り起こし、自己理解を促すワークをたくさん掲載しています!
おすすめの使い方は、以下の二つです。
<家庭で:親子一緒に取り組む>
子どもだけでなく、保護者もワークを一緒にやってみることをお勧めします。
先日、保護者向けの子育て学びカフェで「保護者のキャリアデザイン」というテーマで、「ツクルBOOK」の中にある 「みらいづくりワークシート」をやってもらいました。
「自分を形づくっているものが出てきた」
「子どもに求めるだけでなく、まずは自分が自分のみらいを考えることが必要」
などの感想をいただきました。
私自身もそうですが、 自分ができていないのに、子どもにはそれを求めてしまいがちです。
子どもだけにやらせるのではなく、 ワークを子どもと共に取り組むことで、 保護者自身も探究テーマを見つけたり、自分の生き方・キャリアを考えたりするよい機会になることを願っています。
<学校で:春先に探究ベースを身につけ、高め合う関係をつくる>
探究ベースとなるワークには、
・人と関わる上で大切なインタビュースキル
・他者を通して自分の良いところを知る
・自分のスキなことを見つける
ことをテーマとしたワークがあります。
これらのワークを個人で書き、グループやペアなどで共有しあえば、 お互いを深く理解しあうことができます。
学校で探究学習を進める上で重要となるのは、失敗してもよいという「心理的安全性」です。
心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。
組織行動学を研究するエドモンドソンが提唱した心理学用語で、 「このチームでは率直に自分の意見を伝えても、他のメンバーがそれを拒絶したり、攻撃したり、恥ずかしいことだと感じたりして、 対人関係を悪くさせるような心配はしなくてもよいという信念が共有されている状態」を意味します。
探究学習を学校で進める際は、グループであったり、個人であったり進め方は様々です。
しかし、友だちと協働したり、フィードバックしたりする上では、心理的安全性があり、挑戦を歓迎する、高め合う風土がないと、探究学習は円滑に進んでいきません。
このワークブックが心理的安全性を高め、探究学習を楽しむクラスづくりの一助となったら嬉しいです^^