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お知らせ・活動レポート

【みらいzoom53】みんなでつくる「スクール・ポリシー」

2023年02月28日 更新

スクール・ミッションやスクール・ポリシーをご存知でしょうか。
小中学校では、あまり使われない言葉ですが、大学では当たり前になっています。

そして、「新時代に対応した高等学校教育の在り方(これまでの議論を踏まえた論点整理)」(令和2年7月) においてスクール・ポリシーの策定及び公表の方向性が示されたことを契機に、全国の高校でも策定が進んでいます。

 

●「スクール・ミッション」と「スクール・ポリシー」

スクール・ミッションとは、【各公立高等学校等の存在意義や期待される社会的役割、目指すべき学校像】です。このスクール・ミッションに基づき、スクールポリシーを策定します。

それによって、高校1年生の「入口」(③)から高校卒業の「出口」(①)までの教育活動(②)を一貫して体系的なものに再構築することが目指されています。
ちなみに、新潟県では、今年度(2022年度)すべての高校でスクール・ミッションが策定されました。(もうすぐ公表されるそうです)

 

●スクールポリシーの具体例

例えば、12 月に視察に伺った岩手県大槌高等学校には、以下のようなスクール・ポリシーがありました。

〈意志がある(自立)〉
自らの志を深め、物事を探究する意欲を持ち、自らの進むべき道や地域社会の課題をジブンゴトとして、主体的に行動ができる人

〈仲間とともにある(協働)〉
世代や地域、言語が異なる人との交流を通して、他の価値観や文化等の多様性を受容し、立場の違いを越えて共創することができる人

〈逆境から創りだす(創造)〉
予測できない未来や想定外のこと、困難な状況を乗り越えるためのしなやかな心を持ち、必要に応じて助けを求め、体験から学びを得ようとする姿勢を持ち合わせ、新しい価値を創ることができる人

ちなみに、岩手県の大槌高等学校では、スクール・ミッション、ポリシー策定プロセスや普通科高校改革について、視察で伺ってきました。

大槌高等学校では、全校生徒で「どんな学校にしたいのか」について対話し、教員でスクールコンセプトの案を出したり、地域住民も交えた検討会を実施したりして、多くの人の声を生かして、練り上げていったそうです。

視察で得たことも踏まえ、阿賀黎明高等学校の学校運営協議会で、スクール・ポリシーの検討ワークショップを行いました。

新潟県立阿賀黎明高等学校のコーディネーター西田卓司さんらが開発した「育みたい力パターンランゲージ」をもとに、ワークショップ(熟議)を実施しました。

▶︎ステップ1:一人ずつ育みたい力を3つ考える

▶︎ステップ2:グループ内で共有する

▶︎ステップ3:グループ内で検討して3つに絞る

▶︎ステップ4:全体発表して、構造化する

という流れで実施しました。

事前に、高校生のプロジェクト活動を支援する団体「黎明探究パートナーズ」のメンバーや生徒会向けにも実施しました。

今回のワークショップ参加者には、学校運営協議会委員に加え、黎明探究パートナーズのメンバーや先生方もいらっしゃいました。

今後は、学年部ごとに先生方にも同様のワークショップを実施してもらう予定です。

それらの意見を踏まえて、来年度(2023年)は、スクール・ポリシーを生徒も含めた関係者で検討し、決定するプロセスを検討しています。

 

●おわりに

2023年度は、新潟県内すべての高校のスクール・ポリシーを検討、策定するそうです。

一部の先生や管理職で検討するのでなく、ぜひ、生徒や地域住民も交えて、検討していっていただきたいです。

この対話のプロセス自体にみんなで学校をつくっていくという意識が高まるという価値がありますし、地域と協働して生徒を育む土壌づくりにもつながっていきます。