未来にふみ出す学びを 子どもたちへ

お知らせ・活動レポート

【みらいzoom49】わかりあえないを超えて、 家庭も巻き込んだコミュニティ・スクールをつくろう

2022年08月31日 更新

魚沼市のPTA連絡協議会の研修大会の様子

「PTAとして運営協議会に参加しているけれど、子どもが学校にお世話になっている以上、本当に感じていることは言えない」
「コミュニティ・スクールになったらしいけれど、今までと何が違うのかわからない」
「私たちは、何をすればよいの?」

という保護者の声を聞きます。

私は立ち上げ数年以内のところに関わることが多いですが、

「コミュニティ・スクールの概要は理解したけれど、それが何のために必要なのか、何を目指しているのか、腹落ちはしてない」

という保護者の方が多いではないでしょうか。

先日、魚沼市のPTA連絡協議会の研修大会に招かれ、「子どもたちの未来のために保護者としてできること-コミュニティ・スクールや家庭教育を通じて」というタイトルでお話をしてきました。

今日は、そのお話を振り返りながらお話しします。

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■目次
●話の流れ
●保護者の感想
●保護者を巻き込むために必要なこと
●おわりに
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●話の流れ

当日私からお話した内容は、ざっとこんな流れです。

【 時代の変化と学びの変化 】
・社会の変化の中で子どもたちには、自ら考え行動できる力、新たな価値を創造できる力が求められている
・学びも変化していて、探究学習が主流になってきている
・そういう子どもたちを育むためには、学校だけで学びをつくるのは難しい

【 コミュニティ・スクールの理念 】
・コミュニティ・スクールとは何か
・子どもを取り巻く学校・家庭・地域の課題を共に解決する
・子どもたちの学びづくりや課題解決の事例を紹介

【 課題解決のために必要な熟議・対話 】
・対話とは何か
・熟議・対話をしたのち、具体的な実践につなげるポイント
・保護者として、CSや課題解決のためにできることは?

【 これからの家庭教育の役割とは 】
・やりたいことを見つけるサポートをする
・体験や人との出会いの機会をつくる
・やりなさいではなく、「一緒にやろう」「プロジェクト型」の子育てへ
・ふりかえりを促そう

 

●保護者の感想

参加された保護者のみなさんからは以下のような感想をいただきました。

・学校・家庭・地域が分業ではなく、協働していく時代になったこと。それぞれの役割をみつめ直し、何ができるか何を一緒にできるかを共に考えたい。
・学校、保護者・地域の方が関わったり、語れる機会をぜひ設定してほしい。
・学校支援のボランティアに積極的に関わりたいと思った。


・子どもだけでなく、「親育て」も必要。

・普段子どもに「〜しなさい」の指示が多過ぎていることを反省しました。子どもが自ら考える力を育むことが自分の課題だと気づいた。
・家庭内での話し合いを少しずつ始めてみたいと思う。

 ↓

・親が学び、子どもとの関わり方や教育観をアップデートしていくこと
・学校・家庭・地域が関係性や役割を紡ぎ直していくこと
 の必要性を感じていただいたようです。

魚沼市PTA連絡協議会の研修大会の様子

●保護者を巻き込むために必要なこと

【①子どもたちを育むパートナーであることを共通認識すること】

家庭と学校、地域は、共に、子どもたちを育む仲間であり、パートナーであるはずなのに、

わかりあえないという実態を見聞きします。

このような分断が起きていることは、残念でなりません。

そういう分断を乗り越えていくには、どんな考えや機会が必要なのでしょうか。

 

一つの考えとして【「学びの土壌」が豊かな環境で、子どもたちは資質能力を高めていく】という調査があります。

「学びの土壌」とは、

・安心/安全の連鎖が生まれる「安心安全の土壌」
・問う・問われる「対話の土壌」
・協働を生む「多様性の土壌」
・地域や社会に「開かれた土壌」

の4つのことです。

※「学びの土壌」という表現は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと(一財)地域・教育魅力化プラットフォームが協働して調査・検証をしている「高校魅力化評価システム」から引用しています。

学びの土壌

これは、学校の教員だけでつくれるものではなく、学校と保護者、地域の大人たちが共につくっていくものです。

子どもたちは、大人たちの背中を見て、感じています。
子どもたちに望む姿を大人が体現し、その姿を子どもが感じ、学校の枠を超えて学び、多様な関わりが積み重なって豊かな「学びの土壌」になっていくと考えています。

 

【②役割を超えて対話すること】

では、「学びの土壌」を育むためには、どうしたらよいのでしょうか。

保護者と教職員、地域住民という目線や常識の違いなどを確認しながら、その違いや役割を超えていくこと。わかりあえないことを乗り越えて、わかりあおうと歩み寄っていくことが必要ではないでしょうか。

「熟議」を提唱している元文科省副大臣の鈴木寛さんは、以下のようにおっしゃっています。

 

コミュニティというのは、宣言したときから存在しているといったものではなく、充実したコミュニケーションを積み重ねながら、気がついてみると、コミュニティになっていたというのが本当のコミュニティだ。人々の単なる集まりが「熟議」を通して真のコミュニティになっているといっても過言ではない。
(引用:鈴木寛「熟議のススメ」講談社)

 

すぐにはわかりあえないし、うまくいくわけではないですが、〈あきらめずに熟議や対話、コミュニケーションを積み重ねていくこと〉が遠いようで近道だと考えています。

ちなみに、この講演会が終わったあとに、お話を聞いていた先生からお声がけいただきました。

「働き方改革」が言われる前は、先生たちは家庭に向けて「学級通信」で子どもたちの様子や大切にしたい考えなどを伝えていたんです。私は大事な機会だと考えていたんですけどね、、

とのことでした。

このような機会が減っている今、
学校はどうやって家庭に先生たちの考えや願い、取り組みを知ってもらうか。
逆に、保護者は学校での様子に関心を持ち続け、家庭教育や子どもたちの健全育成に関わっていくのか。

一緒に知恵を出して、わかりあう工夫が必要だと感じています。

 

●おわりに

PTAとは、

趣旨として、「子どもたちが正しく健やかに育っていくには、家庭と学校と社会とが、その教育の責任を分けあい、力を合わせて子どもたちの幸せのために努力していくことが大切である」

また、PTAは成人教育の場でもあります。
より良い保護者・先生であるためには、自ら学び研修に励む必要があります。より良い大人であることが、子どもたちの健全教育のためには大切なことです。
PTAの幅広い活動を通して、私たちもともに学び、成長していけるそんな組織がPTAです。

 引用:日本PTA全国協議会

 

と示されているように、
趣旨は、コミュニティ・スクールと同じです!

そして、子どもを核に、保護者と先生が共に学び、成長していく組織でもあります。

でも、実際、その趣旨を理解し、活動している人はそう多くないかもしれません。

コミュニティ・スクールは、PTAの趣旨や役割を見直す絶好のチャンスです。

コミュニティ・スクールにおいて共有認識された目標やビジョンを目指して、
PTAの取り組む課題や取り組みを見直していく機会になり得るからです。

ぜひ、PTA役員の方や保護者のみなさんも遠慮することなく、声をあげていきませんか。
そして、学校や地域と違いを前提として、共に語り合うことから踏み出してみませんか。

そのための方法やプロセスの作り方のヒントは、
「協働デザイン入門-学校と地域でともにつくる学び-」でも紹介しています!

また、10月10日(火)に予定している
みらいずworks主催のオープンカレッジ
「自立する子どもを育てる」講師:工藤勇一氏 においても、

学校や家庭、地域で協働でできることに関する事例も紹介していただく予定です。

参考になる情報やヒントが必要の方は、ぜひ合わせてご検討ください^^