【みらいzoom37】魚沼市でコミュニティ・スクール立ち上げ、総動員で支援中!〜学校向け研修編〜
2021年09月30日 更新
<魚沼市でコミュニティ・スクール立ち上げ、総動員で支援中!〜学校向け研修編〜>
魚沼市が2022年度、学校運営協議会を全ての小中学校に設置する予定です。
みらいずworksで、円滑な立ち上げの支援を、
スタッフ総動員でさせていただいています。
小見が文科省のC Sマイスターとして、
数年前に立ち上げに向けたコンサルティングをしたことがきっかけで、
C Sディレクター業務をみらいずworksで受託することに。
教員と地域住民が学校運営協議会の意義や見通しに対し納得し、
学校運営協議会への期待感や役割意識が高まることをゴールに一年間支援をしております。
具体的な目標は、以下の通りです。
*学校運営協議会の円滑な発足ができる
→ 大人(教員と住民)がともに学び、地域住民が学校運営に参画することで、社会総がかりの教育実現の基盤が整う
*学びや対話を受けて「こんな学校にしたい!こんな地域にしたい!」という夢を膨らませる
*その願いや夢が教育計画に反映される
魚沼市は、地域のコミュニティ協議会の活動が活発な市です。
地域の全住民アンケートによる課題の見える化などにも取り組み、
地域のさまざまな課題解決をし、伝統行事、文化、生活など多様な活動をしながら、
誰もが安心して暮らし、住みやすい、住んでよかった地域づくりに取り組んでおられます。
https://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2015012400487/
コミュニティ・スクールの立ち上げは、学校文脈で語られたり、考えられることが多いですが、
地域と学校の「協働」を目指す上で、地域文脈での捉えやアプローチも欠かせません。
みらいずworksでは、コミュニティ協議会の担当課や地域活動や
コミュニティ協議会の支援者である「集落支援員」さんたちにも働きかけ、意見交換会を行ったりして、
地域の皆さんがコミュニティ・スクールの納得感や参画を促すように努めています。
現段階では、
・学校の管理職・地域連携担当教員向け研修
・市報での地域向け告知の原稿作成・デザイン
・各地区における地域向け説明会・研修会(全6会場)
を終了しました。
今後は秋から冬にかけて、各地区における2回目の地域向け説明会・研修会や
各学校区の準備医委員会立ち上げ支援、相談会などを企画する予定です。
今回の「学校管理職向け編」では、学校の管理職・地域連携担当教員向け研修にフォーカスして、ご報告します。
学校の管理職・地域連携担当教員向け研修では、
モデル校の小出小学校の実践事例に加えて、みらいずworksで意見交換、取り組み事例の紹介を担当させていただきました。
立ち上げに向けた課題、疑問をあげてもらうと、さまざまな課題・疑問が出てきました。
整理すると、以下になります。
【今までとの違い】
・これまでの取り組みとの違い
・そもそもよくわからない
【プロセス】
・何から始めるのか、準備
・手順やフロー
【組織づくり】
・委員の人選、適任者は誰なのか
・多様性のある組織づくり
【地域理解】
・地域のニーズ、課題の把握
・地域の見通しが持てない
【地域とのギャップ】
・学校の願いを地域は理解してくれるか?
・カリキュラムと地域の願いのギャップ
【関係者への理解促進】
・教職員の意識改革、理解促進
・地域、保護者への理解の周知
【他活動との相乗効果、分担】
・PTA活動との役割分担
・既存の組織の活用
【教職員の働き方改革】
・教職員の負担軽減につながる仕組み
・当事者意識を持つエネルギー、余裕の不足
【教職員の育成】
・若手教員の授業力、マネジメント力の向上
仕組みや人選、地域の実態理解や関係者への周知、
校内での働き方改革やカリキュラムへの落とし込みなど、課題は、多岐に及んでいます。
事例紹介の中では、小出小学校のモデル実践の取り組みに加え、
みらいずworksからは、以下のお話をさせていただきました。
・コミュニティ・スクールが必要になった社会の背景
・仕組みの理解
・従来との違い、効果
・今後の立ち上げの見通し
・熟議の考え方
・取り組みの具体例
・立ち上げ・運営のポイント
特に、立ち上げ・運営のポイントについては、以下に絞ってお伝えました。
【ポイント①】
運営協議会は意思決定機関で、地域学校協働部会は実行部隊
・学校の課題をタイムリーに、オープンに
・地域学校協働活動は、学校を拠点とした地域づくり
【ポイント②】
人選が大事
・多様な人で、意見を言いっぱなしにせず、動いてくれる人
・情報発信してくれる人(住民に対するCS理解へ)
【ポイント③】
成功の鍵は熟議
・当事者意識を生む
・関係性の質を高める
→熟議で話されたことを全て反映する必要はない
校長のマネジメントの中で優先順位をつけてやっていけばOK
反映したことを伝えていくと熟議の意義もアップ
【ポイント④】
教員も巻き込む
・来年から始まる仕組みの説明
・拡大熟議を組み込む
・熟議や反映した内容を教員に共有、検討する仕組みも
【ポイント⑤】
大人が学び続ける姿勢
・子どもに求めることが大人はできているのか?
・毎年同じではなく、さらによくしていく姿勢
・研修会を自主企画
大人たちの世界観、学びの捉え方を変えていくこと、
そのためには、対話を重ねていき、自分の価値観や考えを内省したり、
手放したりすることが重要です。
一緒に変わっていこう、
これからの学びを共につくっていこう!
と思える前向きな方、感度の良い方、対話の精神を持った方を人選することをおすすめします。
自分の考えに固辞し、対話の精神がない方がいらっしゃるとしんどくなります…汗。
ちなみに、CS を導入時の重要なこととして、調査結果より以下が上位3つに上がりました。
「校長が学校運営協議会の意義を十分に理解していること」
「学校運営協議会の委員として適切な人材が確保できていること」
「CS 予算が確保されること」の順に高い。
※文科省委託事業「学校と地域の新たな協働体制の構築のための実証研究―コミュニティ・スクールの運営・意識・取組等に関する基礎的調査 報告書―」より
https://manabi-mirai.mext.go.jp/upload/houkokusyo2ufj.pdf
校長の納得感、そして、校長が一緒に学校運営をしたいと思う人選が重要なことは、調査結果よりも明らかですね。
昨年度、今年度は、コロナ禍で地域の方と連携する事業は軒並み中止になり、
地域の方々と関係を築けていないという管理職の方もたくさんいらっしゃいました。
地域の方と出会い、一緒につくる仲間を集めるという意味でも、
地域向け合同説明会・研修会を位置付け、
広く地域の方に市報で呼びかけをしました。
そこでの説明や対話を通して、地域や保護者にコミュニティ・スクールを理解してもらい、
期待感や可能性を感じてもらおうと企画、運営しました。
地域の皆さんにいかに自分事で考えてもらえるか!
試行錯誤をしています。
地域向け合同説明会・研修会については、第二回でご紹介します^^
【小見まいこ】