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お知らせ・活動レポート

【みらいzoom29】探究学習を推進する上での5つの問題構造とは?!

2020年08月04日 更新

コロナ感染の拡大により延期していた「探究学習 実態調査報告会」を7月11日に、
オンラインにて実施しました。

参加者は全国から90名にものぼり、予想以上の反響に驚きました。

 

感想を以下に少し抜粋します。

 

「勤務校の課題が多くの学校に共通の課題であることがわかった。」

「新潟に限らず、どの地域でも同じことが言えるな〜と感じました。というか、新潟がそんなに遠くないようにも感じました!」

「教員の方々のおかれた状況、葛藤について、調査結果およびチャット等の反応から知り、感じることができました。具体的にどのように連携していく選択肢があるのか、自分の地域でも探っていきたいと思います。」

 

報告会のゲストでもあった大正大学地域創生学部の浦崎太郎教授からは、

「他県でも通用する問題構造が浮き彫りになった」と評価するコメントをいただきました。

 

今回、調査した概要はこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は特に、教員向けのアンケート調査について少しだけ内容をご紹介します。

調査結果から明らかになった「総合的な探究の時間」を推進する上での問題構造は、以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題構造を分析し、五つの問題が関連していることがわかりました。

 

第一に、教員の業務量が多い中、強化方針がないため、雑務に追われ、新たなことに取り組む余裕がないという点です。「学年費の回収」や「資格試験の監督」など、教員がやらなくても良いような業務に時間が割かれ、探究学習を含めた新たなことに取り組む余裕が不足しています。業務改善や強化方針による選択と集中がないため、優先順位が付けにくく、個々の教員の考えに従い、満遍なく業務に取り組むことが求められていることが理由としてあげられます。

 

第二に、全校で取り組むために、共有したり、検討したりする対話の機会がつくれない問題も発生しています。アンケート結果で「総合的な探究の時間」を推進していく上での内部課題の第二位に上がった、“管理職のリーダーシップ不足”が影響しています。追加で教員にヒアリングしたところ、「管理職がブレーキにならず、ファシリテーターになることが理想」「管理職が教員のやりたいことを吸い上げて見守ったり、実践の後押しをさらにしてほしい」「学校全体で推進するんだと他の教員にもさらに伝えてほしい」という意見がありました。学校内でいかに位置づけ、教員の当事者意識を生み出し、アクションを促すかは、管理職のリーダーシップによるところが大きいです。また、管理職のリーダーシップの不足に続いて、校内で検討する時間の不足、全体での方向性の共有に関しては、4割以上がとても必要と回答していました。

 

第三に、探究学習に関する能力開発の機会は学校外の大学や民間団体等による主催セミナーやオンライン上などに豊富にあるはずだが、校内外での自主的な勉強会に参加したことのない教員が40.7%にのぼることです。探究学習を推進する上で必要となる情報や学びの機会に対する、管理職や推進者から教員に対する働きかけが不十分であると推察できます。また、教員のニーズに応じた教育センター主催の研修や校内研修が少ないことも言えます。以上の点から、自ら学びにアプローチしている教員が少数であることも明らかになりました。

 

上記の三つの問題から、第四として「総合的な探究の時間」に関しては、一部の意欲的で役割意識のある教員に属人化していて、組織的な取り組みになっていないという学校内部の問題が生じています。教員の対話に基づく意識啓発やベクトルの一致、研修の機会の整備など、組織的な体制が整備されていないことが要因です。

 

第五に、外部との連携・協働に対しても、つながりが薄く、一過性の連携・協働でとどまっている実態が見えてきました。「総合的な探究の時間」が属人化している場合、意欲的で役割意識のある教員がいる際は連携・協働が進むが、異動したり担当がかわると、連携・協働が円滑に行われなくなったり、形骸化したりする問題が起きてしまうということが明らかになりました。

 

以上の問題構造から、見えてきたことを集約すると、

教員集団は余裕がなく、「総合的な探究の時間」に対する捉えや意識の足並みがそろっていない。

さらに、外部との持続可能な協働体制が未整備のため、学校内で業務を抱え、一部のできる人・意欲のある人に属人化している

と言うことができます。

 

裏付けとなるデータや詳細をご覧になりたい方は、ぜひ「NIIGATA 探究白書」にて、詳細をご覧ください。

ご注文:下記フォームより必要事項を入力してください。

https://forms.gle/Lq2ovR8dYtvcTssGA

 

 

以上の問題構造に対して、みらいずworksとして考えた手の打ちどころは、以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教育行政がやるべきこと、

学校現場がやるべきこと、

みらいずworksが担うべきこと、

そして、大学や地域団体、企業が担うべきことがそれぞれあると考えています。

 

今後、それぞれに手の打ちどころについて、訴え、啓発・提案をしていく予定です。

 

早速、7月末に、新潟県の教育長、教育次長にも教育行政がやるべきことの提案をしてきました。

高校現場での「総合的な探究の時間」の問題構造について熱心に話を聞いてくださり、今後の取り組みの可能性をご検討いただく、貴重な時間となりました。

今後は、教員研修や教員養成について、教育センター、大学にも提案してまいります!

 

せっかく、皆さんにご協力いただいた実態調査。

結果から見えてきた問題を一つずつ解決して、
新潟県や全国の総合的な探究の時間のより良い実践や発展につながっていくよう、働きかけていきたいと思います。

 

 

最後になりましたが、みらいずworksでは、
高校生の地域での探究学習の後押しをすべく、クラウドファンディングを始めました。

 

「withコロナ・afterコロナ時代も若者が希望を持ち、
イキイキとした人であふれるような新潟を、みなさんとつくっていきたい」

という想いで挑戦しています。

 

クラウドファンディングのページに、私たちの想いが詰まっています。
宜しければページだけでも、ご覧いただけますと幸いです^^ 

拡散、ご支援、大募集中です♪

 

▽クラウドファンディングページのURL[8月31日(月)終了]

 https://readyfor.jp/projects/miraisworks