みらいzoom 24 「学校と地域の新たな協働体制の構築のために!コンサル業務で見えてきたこと」
2019年10月23日 更新
文科省 学校と地域の新たな協働体制の構築のための実証研究に平成30年度、令和元年と関わっています。
実証研究受託団体であるNPO法人スクール・アドバイス・ネットワークさんより任命された「コンサルタント」が、全国の市町村の出向き、学校と地域の協働体制構築のために課題解決の相談役になるという取り組みです。
私は、そのコンサルタントとして、今年度は、新潟県を中心に、長野県、秋田県、群馬県の市町村にも伺う予定です。
本事業の目的は、①すべての小中学校区において地域学校協働活動(※1)を進めること、②学校運営協議会制度(※2)をすべての公立学校に導入することです。
今年度は、9月からどんどん各市町村に訪問していますが、
昨年とは相談内容が変わってきている印象があります。
昨年は、学校運営協議会制度について、地域学校協働本部のコーディネーターをどうやって集めるかという制度についてや表面的な相談が多かったのですが、
今年は、以下のような課題が多いです。
*すでにある学校支援組織を生かして、その地域ならではの仕組みを作るにはどうしたら良いか
*地域コーディネーターをどのように発掘したり、人材育成できるのか
*そのために、学校教育行政と社会教育行政がどのように連携・役割分担したら良いのか
*地域の当事者生を引き出すために、熟議をどのように設計・デザインしたら良いのか
*どうしたら地域も教員も負担感を感じずに進めることができるのか
丁寧に教育行政の皆さんのお話を伺っていると、より複雑な課題に取り組んでいることを痛感します。
また、すでに導入している学校現場の皆さんのお話を伺うと、手応えがあったり、無かったり。課題のレベルが深まっていて、次の段階の課題解決が必要な時期であることを痛感しています。
私自身も正解は持っていませんが、
教育行政や学校現場の皆さんの悩みや課題を丁寧に伺い、どうしたらその地域にとって、より良い仕組みや導入ができるのか。
関わる地域住民、学校関係者、子どもたちにとって三方よしの取り組みになるのか。共に考え、悩みながらのコンサルタント業務です。
ただ、コミュニティ・スクールにおいて肝になるところが自分なりに見えてきました。
*学校の情報を地域に包みかくさず伝えることから困り感や課題を共有し、学校が全て解決するのではなく、地域と役割分担をすること。
*そのために、熟議を計画的に行うこと。やらないよりはやった方が良いですが、とりあえずやってみようではなく、全体の設計と一回ごとの設計が必要であること。(単元・授業の指導案作りと同じ!)
*そのプロセスを通じて、いかに地域の学校課題に対する当事者意識を高めていけるかということ。
*学校の教員にとっても意義のあるものにするために、同時に委員以外の教員(主に、管理職以外)の教員の参加を促して行けるかということ。
という部分だと感じています。
特に「熟議」のデザインが鍵になってくるので、
これから熟議に関するやり方やデザインの仕方などについて、整理・分析して形にする予定です。
<参考情報>
*今年度の文科省が出した「学校運営協議会」設置の手引き(令和元年度改訂版)です。
導入する目的や効果・手順などがわかりやすく整理されています。
【小見まいこ】