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【活動レポート】みらいずカレッジ2019「探究学習を核としたカリキュラム・マネジメント」

2019年08月08日 更新

みらいずカレッジ2019の本講座がいよいよスタート!

中学校、高校、大学の教員に、
市議会議委員や水族館のスタッフ、地域おこし協力隊など、12名の多彩なメンバーが参加してくださいました。

今回のテーマは、探究学習を核としたカリキュラムマネジメントです。

「うそつき自己紹介」で自己紹介したのち、問いづくりワークをします。
カリキュラムマネジメントの定義を質問の焦点にして、疑問や質問を出してもらいました。
 


参加者の皆さんから上がった問いを以下、抜粋しました。
「なぜ、カリキュラムマネジメントを各学校で考えるのか?」
「誰がどのように推進していくのか?」
「カリキュラムマネジメントのポイントは?」
「楽しくなさそうなので、楽しくするには?」
「作り、動かし、変えていくその振り返りはしなくていいの?」

それでは、いよいよ今回のゲストである、上越教育大学の松井千鶴子教授の講義です。


松井先生は、総合的な学習の時間、教育課程がご専門で、カリキュラムマネジメントは必ず触れるテーマだそうです。

以下、概要です。
———
もともと、小学校の先生ですが、総合的な探究の時間の解説を執筆されたことから、高校からのオファーが増えている。

大分県佐伯鶴城高校「創生探究」の授業について紹介。
1年生ではプレゼン、2年生ではグループで研究計画の策定「生徒が楽しいと感じる授業」「コンクリートの応用」「佐伯の防災」などテーマ設定。

続いて、広島県立大崎海星高校の取り組みを紹介。
・トップダウンじゃないから、教員が異動しても続いていく土壌がある。
・授業の一部、1学年の授業などスモールステップで
・住民も巻き込んだチームによるカリキュラム開発

上越では、カリキュラムマネジメントは昔から使われている言葉。
1回目は、生活科ができたとき(平成元年)
2回目は、総合的な学習の時間ができたとき(平成10年、11年)
上越では3回目の波は、今だそうです。

全国的には、平成10年から使われ始めている。

教育課程は、教育行政用語で、あくまでも計画。
カリキュラムは、計画に加えて、活動や評価なども含めた概念。

短く言うと、「教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の向上を図っていくこと。」

今、なぜカリマネかと言う背景を説明されたのち、
ざっくばらんに、カリマネをしろと言われても、時間がない。
働き方改革で仕事はあるのに、早く帰りなさいと言われる矛盾がある。

とは言いつつも、やらなければならないので、
時間を生み出して、カリマネをしていかないといけない。

開かれた学校づくりからもう一歩進んで、
教育課程の目標やカリキュラムマネジメントのあり方自体も地域の方と共有して、質の高い教育活動をすることが求められている。

カリキュラムマネジメントの3つの側面として、以下の3つがある。
①教科横断的な視点での内容の配列
②教育課程の評価と改善
③教育課程実施に必要な人的・物的な体制の確保

でも、先生たちから出てきた声として、
「教科横断的な視点は、高校ではなかなかやりにくい」とのこと。

それに対して、松井先生からのアドバイスとして、
→アドバイス:全部の教科でやる必要はないから、まず一つからやったら良い。
→アドバイス:内容の関連ではなく、資質能力が育成できるようにカリキュラムのつながりを考える。上越市では、「視覚的カリキュラム表」を作成している。
資質能力を育むために、各教科でどのように意識して取り組めば良いかが明確になっている。
→形を作った人たちは学んでいるが、見せられるだけでは、意識できない。一人一人がかかわったり、自分ごと化できるかが問題。上越市では、全校で視覚的カリキュラムを検討する会議を4月に実施している。8月には、評価する会議を実施している。作りっぱなしはダメ。

教育課程の評価として、
・学習評価と学校評価がある。

小学校では2回、PDCAサイクルを回そうと言う動きがある。1年に1回しか回さないとなかなか改善につながらない。

先生たちに必要なのは、評価力&コーディネート力。目の前で起きていることをどう見て、評価するのか。

学校に基礎を置くカリキュラム開発「School Based Curriculm Development
」と言う考え方がある。
枠組みは決まっているが、カリキュラムを使うのではなく、自分たちで作ることができる!与えられるものではなく、作ると言う意識になってほしい。

作って、実践して、改善していくのは先生たち一人一人である。

———

午後からは、「カリキュラム・マネジメント」分析シートを記入します。

前段で、田村知子先生が開発された「カリキュラム・マネジメント」分析シートについて、松井先生より説明を受けました。

この図は、特に、組織構造や学校文化もカリキュラムマネジメントに影響を与えると言う視点がポイント。
色々な視点から今の学校の状況を分析することが大切。

このワークは、ミドルリーダー研修で使っている。新潟県の教育センターの研修でもやっているそうです。学校内のカリキュラム研修でみんなでやるのもおすすめだそう。

A小学校の事例を元に、
どこに課題があり、どこに手の打ち所がありそうかをグループ内で意見交換しました。

それを踏まえて、自校のカリキュラムマネジメント分析を記入するか、年間指導計画を作るワークをしました。
その後、発表に対して、質疑したり、応援メッセージを伝えました。


その後、個々人のテーマを出し合い、似たようなテーマの人たちが集まり、対話をしました。

 


「内部のアピール、仲間の作りかた、巻き込み方は?」
「共生的組織の作り方」
「教科横断的なカリキュラムマネジメントを協働で行うには?」

目標の解釈のすり合わせ、自己の目標と組織の目標の調和など、他のテーマでも関連したような内容が発表されていました。


私自身は、カリキュラム・マネジメントは人がするもの。目的を共有し、調和できる組織作りと同時進行だと痛感しました。

カリキュラム・マネジメントのキーワードは、
キーワードは、つながる
授業もつながる、人もつながる、組織としてもつながること。
点と点をつなぐ人になっていただくと、ちょっとずつ変わっていくのではないでしょうかと松井先生からメッセージをいただきました。

<以下、参加者の感想をご紹介いたします。>
・カリキュラムマネジメントに対する自信がつきました。
・とても勉強になりました。自分のモヤモヤの理由がわかり、スッキリ。ガッテンガッテン!
・資質能力を中心に考えればカリキュラムマネジメントができるとわかった。
 学校行事も含めて教科横断的なカリキュラムをつくりたい。

また、今回参加された先生たちの感想によると、
まだカリキュラムマネジメントの重要性に気づいている先生は少ないそうです。
総合学習などは、カリマネの視点がないと、体験あって学びなしになってしまうとおっしゃっていました。でも、なかなか現場ではその視点で推進できない、理解者ができないそうです。

学校現場でカリキュラムの検討会や振り返り会を実施し、カリキュラムマネジメントが当たり前に、日常的に行われるようにみらいずworksでも引き続き、学びの場を作ったり、研修の機会を作ったりしていきたいと改めて思いました。

【小見 まいこ】