【活動レポート】にいがた教育フォーラム2019 ~青陵大学岩﨑保之先生 壮行会~
2019年04月01日 更新
3月9日、「にいがた教育フォーラム2019」2030年に向けた新潟の教育を展望する ~いまわたしたちがなすべきことは何か~ を新潟青陵大学にて開催しました。これまでファシリテーションで新潟の教育の新たな道を切り開き、私たちをご指導くださった岩﨑先生が、春から京都の大学に行かれるということで、岩﨑先生を盛大に送り出す、壮行会という意味も込めてこの会を行いました。当日は68名もの参加者が集まり、学びをともにしました。
当日の様子をお伝えいたします。
まずはオリエンテーション。実行委員会を代表して小見より挨拶をさせていただきました。
次に導入ワーク。
今回は、いまどんな人が集まっているのかを知るアクティビティを行いました。進行が「〇〇の人~」と言ったら、該当する人は「でーれん♪」と声を出して立ち上がるというシンプルなものです。会場には、小・中・高の先生方だけでなく、企業の方、公務員の方、また、県外からお越しの方や、岩﨑先生のゼミ生など、多様な方にお集まりいただきました。
いよいよ、岩﨑先生のお話です。
まずは、「キーノート・スピーチ」ということで問題提起。
社会の変化に伴いリニューアルされた、「教育進行基本計画」。そこに示されている2030年以降の教育を見据えたロードマップを確認しました。そのロードマップを新潟や、自分の学校、そして自分自身にそれをどう落とし込んでいけば良いのかということを考えるきっかけとなるお話をいただきました。
そして、トークリレー。
新潟市立早通中学校の青田先生、五泉市教育委員会の金先生、新潟市立笹口小学校の田村先生にお越しいただき、それぞれのお立場や現場での視点からお話いただきました。
まずは、青田先生。
生徒たちと行っている、総踊りのお話です。総踊りを通して生徒たちは様々な人たちと関わる機会ができたというお話がありました。生徒たちは、地域の祭りや、職場体験先の保育園、小学校など、様々な場で踊りを披露し、必要とされているということを実感することで、自己肯定感が高まったり、地域への感謝の気持ちが生まれているそうです。
次に金先生。
金先生は、子どもたちが変革の担い手といえるようになる学びを目指していらっしゃいます。そのために、実社会に内在するリアルな問題を引き受け、その問題に子どもたちとともに向き合い続けることの意義を見せてくださいました。金先生の生徒たちは、問題に対して実行し、その結果を振り返り、さらに問題を見つめていく、探究的な学びをしていました。そのプロセスの中でまさに、生徒たちの「責任をもって社会を変えていこうとする力」が育まれておりました。
最後に田村先生です。
田村先生は、「学校は、育てる者を育てる場」とおっしゃっていました。子どもはいずれ社会人になり、親になり、育てる者へとなる。つまり、世代を超えてつながっていくものがあるということ。時代の変化とともに変わるものと、変わってはならないこと(思いやる気持ち・相手と自分を大切にすること・命を愛することなど)をしっかりと見極め、責任をもって人の一生の育ちに向き合うことが大切であるというお話をいただきました。
その後、マグネットテーブルを行います。
テーマは、「2030年の新潟の学びに向けて、今、みんなで考えたいこと、深めたいこと」です。話し合いでは、「失敗させることは大事だとわかっているけど、どう失敗させてあげればいいかわからない」「探究的に学んでいった子たちは、どんな大人になるのだろうか」「AIが発達する未来でも変わらず大切にしていくべきものってなんだろう」など、切実で、素直な問いや発言が聞こえてきました。
最後に、岩﨑先生のラストレクチャー。
先生のこれまでの道のりを、岩﨑先生が敬愛するJ.デューイの眼差しと重ね合わせながらお話いただきました。岩﨑先生のラストメッセージとして、「教育者として絶えずこれからの教育を考える上で本当に大切にしていきたいもの・大切にしなければならないもの=“芯”となるものを探究し続けることが、これからの新潟・学校・子どもをつくっていく。」という言葉を受け取りました。
これからの時代、教育もますます変化し新たなもの(電子黒板などのハード面も含め)が導入されます。しかし、やはり大切なのは「人」。
「私たち自身の在り方が未来を担う子どもたちを育む。精進せよ。」と、岩﨑先生から背中を押していただいたように感じます。岩﨑先生、本当にありがとうございました!! 京都でのご活躍、お祈りしています。
【河合】