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【活動レポート】社会教育主事講習B「参加型学習の実際とファシリテーション技法」

2019年02月08日 更新

1月31日(木)、2月1日(金)の2日間にわたり、アグリパークにて新潟県の社会教育主事講習「参加型学習の実際とファシリテーション技法」を担当いたしました。
社会教育を推進する人に対して、専門的・技術的な指導に当たる「社会教育主事」資格が、注目を集めています。また、講習や養成課程の修了者に付与される「社会教育士」の称号が新たに誕生します。近年、地域や社会に開かれた学校づくりが推進されていることもあり、社会教育主事資格を取得するための講習科目に、ファシリテーションを学ぶ科目も追加されました。

昨年もアグリパークにて2日間小見が担当し、当時インターン生だった上山と河合もサポートファシリテーターとして参加しました。
昨年の活動レポート:https://miraisworks.com/1799

それでは、今年度の様子を写真と共にお伝えいたします。

<1日目 1月31日>

まずは、オリエンテーション。目的や流れを説明したのちに、なぜファシリテーションが社会教育主事に求められるかということをテーマに小見からレクチャーがありました。


その後、GOOD&NEWをしました。24時間以内にあったことを思い出しながら、隣の人と共有します。


次はミンゴーミンゴー。
Mingle(ミングル)には異なるものを混ぜ合わせるという意味があります。「ミンゴーミンゴーミンゴー♪」とリズムをとりながら歌い、指定された人数で指定されたテーマに沿って話し、聴きます。ここでのポイントは、「声を出さないこと」。ただ、受け入れて、ただ聴く。聴いてもらう・受け入れ合うことで、聴くことの重要性を体感しました。


休憩をはさんで、価値ランキング。
テーマは「人の成長に必要だと思うこと」です。それぞれの価値観の背景を聴き合いながらコンセンサス(複数人での合意)を図っていきます。
「チーム全員の納得解を探る難しさと、そのためには背景をきちんと聴き合うことが重要であるということを感じた」と感想を述べた参加者の方もいました。

続いて、レクチャー「教育ファシリテーターの役割とスキル」です。

午前のプログラムが終了。
参加者の方々と一緒に昼食をいただきました!
(アグリパーク内の食事処。バイキング形式でとてもおいしかったです!)


おなかもふくれ、午後のプログラムにうつっていきます。

まずは、アサーションの考え方についてのレクチャーとワークです。
自分の普段のコミュニケーションの癖を客観視してみる体験をしました。


続いて、3人インタビュー。
テーマは「学習者として、学びに火が付いたときはどんな時ですか。それはどうしてですか。」です。聴く人・書く人・話す人に分かれてインタビューをしていきます。みなさんわりと『書く』ことに難しさを感じていたようで、「すべてを書こうとしていたら途中でついていけなくなった」と言っていた参加者の方もいました。

 
そして、2チームに分かれて質問づくりです。
問いの焦点は、「社会教育のこれから」です。
 ・社会教育と学校教育どう連携をとっていけばいいの?
 ・人生100年時代における社会教育の在り方とは?
 ・いままでにない年齢層の社会教育。人は何を学習すると良いのか?
などなど、多様な問いが生まれました。


その問いの中で優先順位を決め、さらに実際に話し合うテーマを決め、話し合いました。

対話した内容をプレゼンをして1日目は終了となりました。

<2日目 2月1日>
2日目を迎えました。合宿研修最終日です。
この日は雪が積もっており、参加者の方々は朝から車の雪下ろしをしておりました。

 まずは、GOOD&NEW。合宿で一緒に過ごしているうちに、深いところまで話すことができ、仲が深まったと話す参加者の方もいました。参加者同士のつながりが強くなるのが合宿形式の研修の醍醐味ですね。


そして、NVC(Non-Violent-Communication)レクチャー。
対立や葛藤ではなく、共感によるあたたかなつながりを生み出すコミュニケーションの考え方です。


次に、エンパシーサークルを行いました。
感情が動いた出来事を3分間話し、聴いている人は相手のニーズを想像してニーズカードを選び、渡すというワークです。
自分の見えていなかったニーズを見つけることができたり、相手が自分の内面とつながってくれるような感覚を持つことができる、あたたかな時間となりました。

いよいよ最後のワーク。
オープンスペーステクノロジー(OST)を行います。まずはテーマ集め。


今回は、以下3つのテーマが提案されました。
・地域における学びの自主性・主体性の引き出し方
・学習の効果が地域に還元されるような講座の組み立て方は?
・地域学校協働活動の具体的な展開について

 
関心のあるテーマに集まり、対話を始めます。

そしてプレゼンをしました。


最後に、「2日間の学び」と「目指したいファシリテーター像」を共有して2日間の日程が終了となりました。

みなさまが話しているところを聴いていると、やはり学校教育と社会教育がどうつながっていけばいいのかということで悩まれているところが多かった印象があります。話し合いの中で、「部活動」や「主権者教育」、「公共」などのキーワードが出ており、漠然とつながっていくのではなく、まずは一つキーワードを決め、それをきっかけに連携していけるといいのかなと感じました。
これまで交わることのなかった人たちが交わることができるような場づくりをしていくために、ファシリテーションを学び、活用するきっかけになれていたら嬉しいです。
2日間みなさまとの学びの時間をありがとうございました!!

【河合祥希】