【活動レポート】みらいずティーチャーサロン第5回『現役教師に聴く!』“これからの教育”~そのまま教師になって大丈夫!?~
2019年01月18日 更新
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
1月11日(金)にみらいずティーチャーサロン第5回を開催いたしました。
前回のサロンでは、ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)という手法を用い、みんなで本を読みながらこれからの評価や学びの在り方を考えました。
[第4回活動レポート https://miraisworks.com/3454]
終了後、参加者からは、「なんとなくこれから評価や学びの方向性がぼんやり見えてきたけど、実際、現場ではどうしたらいいのだろうか。」「これからの学びの在り方を現場でどう捉え、どう実践しているのか知りたい。」という意見が多かったため、今回は最新の教育を学び、実践しながら常にこれからの教育の在り方を模索していらっしゃる、亀田西中学校の佐藤可奈子先生をゲストにお招きし、現役の先生に気軽に質問したり対話したりする場を設けました! やはり、現場の先生のお話を聴くというニーズは高く、今回初参加の方を含む22名の方々にお申込みいただき、大いに盛り上がりました。
それでは当日の様子をご報告します!
まずはオリエンテーション。
今回は初参加の方が半数ほどおりましたので、みらいずティーチャーサロンについて、そして、前回の内容についておさらいしました。
次にチェックイン。現時点での教員のイメージをまずは隣同士でお話し、その後全体で共有しました。ポジティブな面もネガティブな面も、さまざまなイメージをみなさん持っているんだなと感じました。
そして、可奈子先生の自己紹介に入っていきます。
好きなものや、趣味からはじまり、教員として大事にしていること、普段の授業についてなどをお話いただきました。実際に授業で使用しているワークシート等を持ってきていただき、それを見ながらお話を聴きました。
いよいよ質問タイム。
可奈子先生のお話や、可奈子先生が大切にしているキーワードなどから、全体でざっくばらんに質問していきます。
・学びの個別化といわれるが、生徒間で進度の差が出てしまうことに対してはどう考えていますか?
・この○○というワークシートはどのように使っているのですか?
・先生でもあり、また保護者でもある佐藤先生は、子どもたちに学校でどのように過ごしてもらいたいと感じていますか?
など、様々な視点から質問が出てきました。
その後、それを踏まえて対話をしていきます。
可奈子先生のお話を聴いて、感じたこと・気づいたこと・考えたことを共有し合いながら、自由に話し合っていきました。
最後に振り返りをして終了となりました。
参加者の感想(一部抜粋)
・「教師とはこうあるべき」と決めつけるのではなく、それって本当にいいの?と少し立ち止まって考えてみるのが大切だとわかりました。また、今までやってきたのをそのままやるのではなく、新しいことにどんどん挑戦していくことが求められているということも実感しました。そのためには、まず自分自身がいろいろな経験をして、様々な価値観を身につけていきたいなと感じました。
・忙しい、大変という教員像は変わっていないが、自由度が低い(制限が多い)という教員像は変化した。やり方次第で子どもの幸せを一番に考えることはできると感じた。でもそのための環境や情報を自分でとりに行く大切さを感じた。
・自分の価値観を絶対視することは危険である。常に相対的に認識すべきだと改めて実感した。教師が授業で求められているのは知識だけではなく、読むスキルや学習をグループで成立させるようなマインドも。と感じた。多くの引き出しを得たい。
・今回話し合いをして、教師になるためには、学校という狭い枠にとらわれるのではなく、学校の外との関わりを持ち、様々な経験をすることが今の教師に必要であると思いました。これらの経験が、型にはまった授業ではなく、自由に考え、活動できる授業を作り出すための一歩であると感じました。
私は特に、可奈子先生の「生徒への人権意識」というキーワードが印象的でした。自分の経験則や、これまでの常識などをいったん無しにして常に目の前の生徒のニーズや、時代のニーズを鑑みながら指導しているとおっしゃっていました。目の前の生徒に対して、自己満足や、プライドを捨てさり、全力で向き合っていく。(可奈子先生は“勝負”と表現されていました。)可奈子先生の「人権」という言葉には、“教員は生徒の学びや成長を阻害する可能性もある。それをきちんと心に留めた上で生徒と向き合っていく。”というような意味が込められているような気がしました。
次回のサロンは3月。教員や社会人の方々の紙芝居トークを行う予定となっています。サロンに参加してくれているメンバーには4月から社会人の方もいらっしゃいますが、社会人として、どんなことを考えてお仕事をされているのか、どんなことを苦労したのかそして乗り越えたのかということを、ありのままに語っていただく予定です。
詳しい日程等は後日お知らせいたします。すでに社会人のかたも、これから社会に出る方もぜひ参加をご検討ください!
【河合祥希】