【活動レポート】みらいずカレッジ2018:特別講座②「対話をベースにしたカリキュラム・マネジメント」
2018年11月19日 更新
11月18日(日)、みらいずカレッジ特別講座 第2弾として、
大阪教育大学の田村知子教授をゲストにお招きし、
「対話をベースにしたカリキュラム・マネジメント」を実施しました。
参加者は計16名。スタッフ合わせ総勢21名で学び合う場となりました。
県内外より(北海道、岐阜、群馬、福島からも!)、小・中・高校教員、キャリア教育コーディネーター、学校事務職員、団体職員、教育系NPOスタッフ、大学生、SPiRALのMYプロジェクト に取り組む現役高校生など、実に多様な立場の方にご参加いただきました。
ゲストの田村先生より、カリキュラムマネジメントの概論とポイントを
事例やワークを交えながら楽しくレクチャーいただきました。
そもそも、カリキュラムとは、単なる教育課程や指導計画などを指すのではなく、
広義では「子どもの学びの総体」と捉えられます。
つまり計画は「今後何を学ぶか」のみを示していますが、
カリキュラムには「子どもが実際に何を学んだか」までが含まれるとのこと。
同じ教育計画・授業でも、子どもは個々に「結果として個別カリキュラム」を形成してしまうため、
子どもが本当に何を学んだか/学ばなかったかを明らかにし、学びをより良いものにしていく工夫が必要です。カリマネは、子どもの目線を大切にした「学びのマネジメント」なのですね。
当日の様子を、写真で振り返ります♪
晴天の中、緑豊かな点塾にお集まりいただきました。
まずは、自己紹介を兼ねてチェックイン♪
田村先生のレクチャーの前に、カリマネの定義をテーマに「問いづくり」ワークを行いました。
問いを出し合うことによって、自身の課題意識を浮き彫りにします。
田村先生のレクチャー①。
事例に基づくワークや対話を交えながら、カリマネのエッセンスを学びました。
午後からは「カリキュラムマネジメント分析シート」を用いて、自校の現状分析をしていきます。
小中高校の校種ごとのグループに分かれて、記入した分析シートの内容をシェア。
高校生グループは、高校生参加者の発言が新たな視点となっていました。
田村先生のレクチャー②の後、グループで分析シートを掘り下げるワークを行いました。
現状のどこに手を打つと良いのか?レバレッジポイントを探ります。
最後にアクションプランシートを作成し、ふりかえりを行いました。
〜〜参加者の声(一部抜粋)〜〜
<満足度の理由>
・学校のカリマネだけでなく、今後の学びを振り返る、マネジメントすることの必要性を実感することができました。
・田村先生の講義によるインプットが、今の自分にとって大切なものだったからです。参加できてよかった〜。
・自分のモヤモヤをスッキリさせてもらえた!しかも、とってもハートフルな雰囲気の中で♪
<印象に残っていること>
・「カリマネはつながり」。職員間、職員と生徒、生徒同士、学校と地域、教科間…。つながりを見出すことで改善ポイントは沢山あるのだと感じた。
・様々な目標と手段があるということ、またそれらは義務ではないといくこと。時速可能なマネジメントのためには、常に教師や子どもたちが自ら動こうとする姿勢が大切だと感じました。
・最後の発表で小中高校チームともに、カリマネのスタート地点が「子どもの声」であったこと。
・若手教員でもカリマネはできるということ。カリマネの学びはすべての先生に必要だと思う。
<今後に活かしたいこと>
・カリマネ分析シートを使って、自身の取り組みを振り返ること&見直すこと。
・学校評価項目の見直しと、来年度の計画にのせる事務部経営計画の見直しと作成に活かしていきたい。
・学校外からの支援をどうしていくか。自分にできそうなことをは多忙な教員の後押しかなと思うので、「つながり」を意識していきたい。
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田村先生は、カリマネを進めていく上で大切なことは「信頼」だとおっしゃいました。
どうせダメだろう…ではなく、きっと〇〇先生も一緒に考えてくれる、だから聞いてみよう。と、同僚の先生や目の前の生徒を信じて、働きかけていく。
「みんなでつくる」「できるところから始める、やりながら考える」ことが大切なのだと実感しました。
また、講座終了後に同会場にて「高校のキャリア教育先進事例を学ぶミニ勉強会」を行いました。
岐阜県立吉城高校の大野教頭先生と、キャリア教育コーディネーターの関口さんを囲んで、吉城高校の「YCKプロジェクト」の実践についてお聞きしました。
質疑応答や、その後の懇親会まで、大いに盛り上がりました。
講師としてお越しくださった田村先生、事例発表をしてくださった吉城高校の大野教頭、関口さん、
そしてご参加の皆様、素晴らしい学びを共にさせていただき、本当にありがとうございました!
次回のみらいずカレッジは、12月8日(土)「学習者が主体となるプログラムデザイン」です。
田村先生のレクチャーにも登場した、ウィギンズ&マクタイが提唱する「逆向き設計論」(目標と評価基準をはじめに定め、学習経験をデザインしていく)の考え方も取り入れながら、子どもたち主体の学びをデザインします。ぜひご検討ください(^^)
【角野仁美】