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【活動レポート】みらいずカレッジ2018:特別講座「共感的コミュニケーションのプロセス」

2018年10月30日 更新

みらいずworksでは、“Learning shift”を合言葉に100年人生を歩む子どもたちの学びを支える「大人の学び」の在り方を見つめなおすため、全8講座の「みらいずカレッジ2018」を開催しています。

 
10月28日(日)に、みらいずカレッジ2018では最初の特別講座、「共感的コミュニケーションのプロセス」を開催しました。
共感的コミュニケーション(NVC=non-violent communication)とは、コミュニケーションにおいて相手とのつながりを持ち続けながら、お互いのニーズが満たされるまで話し合いを続けていくという、共感を持って臨むコミュニケーションの方法です。カール・ロジャース博士の弟子のマーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系づけられました。(NVC japan HP:http://nvc-japan.net/nvc/)

そんなNVCの実践を重ねるNVCトレーナーの小笠原春野氏をお招きし、NVCのスキルはもちろんですが、なによりもNVCが理想とする世界観や考え方を中心に学び・感じる1日となりました。
みなさまの関心はとても高く、高校生や大学生、教員の方、それ以外のご職業の方など約30名の多様な方々が集まりました。

それでは当日の様子をお伝えいたします。


まずは、円になってオリエンテーションです。この場の過ごし方についての確認(自分の居心地の良さを自分たちでつくる=お菓子を食べることやトイレに行くのはどんなタイミングでも構わない。この場ではいつどんな体勢で聴いても構わない。ワークなど、やりたくなかったらNOと言えるなど。)をしました。

   
次に心と体をほぐす活動をじっくり1時間かけて行いました。
最初に、円の体形のまま名前を音に乗せて呼び合いました。
次にリメンバリング。なぜ今、自分がここにいるのかということを思い出し、シェアします。
そして、最後にミンゴーミンゴー(ミングルという異なったものを混ぜるという意味の言葉から)。「ミンゴーミンゴーミンゴー」と言いながら踊り、指示されたタイミングで指示された人数で近くの人と集まります。そして「好きな場所」など、テーマに沿って話すというものでした。みんな少し恥ずかしがりながらもその場を感じ、ほかの参加者と交じり合うことで、場になじんでいきました。


心と体が場になじんだら、春野さんからのお話です。
NVCの考え方や、創始者のマーシャルはどんな世界を理想としているのかというお話、NVCの基本的なプロセスを「映画に遅刻した友人」という例えを用いて説明してくださりました。

NVCの基本的な4つのプロセス  :例
O observation(観察)     「友人が約束の時間に15分遅れてやってきた。」
F  feeling(感情・身体感覚)   「怒り・焦り」
N  needs(ニーズ・本当に大切にしていること)「誠実さ・明確な見通し」
R request(リクエスト)    「明確な見通しが持てなくて、とても焦っていたんだ。遅れそうだとわかった時に連絡してほしい。」
                 


お昼休憩の宿題:感情の木に感情の葉っぱをつけていきました。


お昼を挟んで、もう少し詳しくNVCのプロセスについてお話いただきました。
「観察と評価・判断、感情と思考、ニーズと手段が混同しやすく、そこをしっかりと切り分けることが重要であるということがわかった!だけど、案外むずかしいなあ」という参加者の率直な意見もありました。


最後にエンパシーサークル。
最近自分の心が動いた出来事を3分間で述べ、聴いている人はその人のありのままを受け
止める。話し終わったら黄色いニーズカードを話してくれた人に選んで渡すというワーク。
ひとりひとりが自分の話を受け止め、共感してくれること。そして、自分自身の大切にして
いたものに気づくことができ、大きな喜びを感じました。

NVCはとても奥深く、1日の講座ではその一部が少し見えてくるくらいだと思います。
しかし、春野さんがつくりだす場や春野さんの在り方に参加者の方々は多くのことを感じ、学んでくださいました。
私も、NVCをもっと深くこれからも学んでいきたいと思う1日でした。

【河合祥希】