【みらいZOOM 15】地域と学校の協働が生まれる、熟議(ワークショップ)のポイントとは
2018年08月27日 更新
コミュニティ・スクールの推進役「CSマイスター」を拝命しました。
7月13日は新潟県胎内市、8月23日は埼玉県秩父市のコミュニティ・スクール研修会にお招きいただき、地域と学校を推進する熟議の考え方と演習を担当。
コミュニティスクールのマイスターということで、「こみ まいこ」という名前は、本名ですか?と聞かれて、びっくり。
マイスターとしての使命感をさらに強めました(笑)
他にも今年の夏は、みらいずworksとしても
・地域コーディネーター養成スクール(新潟県)
・教育支援コーディネーター研修(青森県)
・胎内市きのと地区、築地地区のコミュニティ・スクール熟議の運営(新潟県)
・社会教育主事講習(地域と学校協働推進役研修)(北海道)
と、あちこちで、地域と学校の協働を築く上での
学びの場づくりに関わらせていただき、
みなさんの関心度やニーズをひしひしと感じています。
さて、コミュニティ・スクールにおいては、
学校・家庭・地域が相互理解や信頼関係を深めるために、「熟議」→「協働」→「マネジメント」の3つの視点とその循環をつくることが大切と言われています。
熟議を重ねる中で協働活動が生まれ、それを振り返って循環させマネジメントしていくということです。
ただ、そこで生まれるのは、「熟議って何?どうすれば良いの?」という疑問です。
加えて、「ワークショップと何が違うのか?」
「なんだか熟議ってかたい言葉で壁を感じる」などの声も聞きました。
文部科学省では、地域と学校の協働を推進するために、「熟議」とは、『よりよい集団(学校)生活や人間関係を築くために、「協働して取り組む一連の自主的、実践的な活動」を「話し合い」を重ねながら生み出そうというもの。』と定義しています。
ワークショップは、参加型の場のイメージが強いですが、
熟議は、場であり、プロセスなのでしょうか?!
その違いについて、個人的に未だ解明できていない疑問なので、敢えて熟議にの言葉の後ろにカッコをつけて(「ワークショップ」)と付け加えることにしました。
(今後の探求課題にします!!)
さて、その地域と学校の協働を推進する熟議(ワークショップ)を進める上でのポイントは何なのでしょうか。
まずは、行き当たりばったりではなく、
①熟議(ワークショップ)の年間デザインをすること
・協議する内容の検討をする(詳細は後述します)
・誰に参加してもらうのかを検討する…CSの場合、ときには教職員や学校支援ボランティアにも参加してもらうと方針を共有しやすい etc
その上で、誰もが参加者として発言でき、当事者意識が生まれるように、
②熟議(ワークショップ)の工夫をする
・ファシリテーター役を設ける…地域に実はファシリテーターがいるかも!?
・話しやすい安心安全な関係性をつくる etc
話し合いっぱなしで行動につながらない熟議(ワークショップ)にしないために、
③熟議(ワークショップ)の成果を共有する
・議事録をつくる…学校が事務局機能を担わなくても得意な人にお願いする
・共有の手間を省く情報共有ツールにする…SNSなども活用して一方向性ではなく、みんなが状況共有しやすいように
という3つは最低限おさえたいところです。
加えて①の年間デザインのところでは、ざっくりですが、下記のステップが必要ではないかと考えました。以下の9ステップは協働の始まりの場面では、おさえておきたいステップです。(2年目以降は、熟議しなくても、昨年の確認をしたり、数年に一度を熟議するようにするなど)
ステップ1:CSを始める背景や目標・ビジョンを共有する
ステップ2:学校課題や地域課題を互いに理解する
ステップ3:すでに地域と学校が一緒にやっていることを洗い出す
ステップ4:今年のテーマを決める
ステップ5:テーマに基づき、やりたいこと・できることをあげる
ステップ6:役割分担をし、できることから動き出す
ステップ7:互いの活動を共有して、必要なことは学び合う
ステップ8:活動を自分たちで評価する
ステップ9:成果や課題から来年度への申し送りをする(教職員の異動、委員の交代を鑑みて)
上記のステップを進めたり、生まれた活動(プロジェクト)を運営していくためには、
*一人ひとりの想いが活かされるファシリテーション力
*子供だけでなく、大人の学びも含めた学びをデザインする力
*プロジェクト(活動)を進行する力
が求められるでしょうか。
それは、みらいずworksの専門性とも通じています。
私たちも手探りの中進めていますが、自分も身に付けたいという方は、
今年のみらいずカレッジでは、以下に関連づいています。
素敵なゲストをお招きする予定ですし、深く学びたい、スキルを知りたいという方、一緒に学びましょう!
◎対話をベースにしたカリキュラム・マネジメント(11月18日)
▶︎地域と共に、対話をしながら社会に開かれたカリキュラム(教育課程)の作り方を知りたい方におすすめ。学びをデザインする視点も学びます。
◎学習者が主役になる学びのプログラムデザイン(12月8日)
▶︎学習者が主体的に、自立的に学び出すプログラムづくりをつくります。どんな時に人はよく学ぶのか、深めていきます。
◎学び合う集団をオーガナイズする(1月26—27日)
▶︎仲間をつくり、プロジェクト(活動)を生み出し、︎推進していく力が育ちます。これからの組織のあり方も学びながら、ファシリテーションに対する視座がぐっと高まります。
詳細はこちらから https://miraisworks.com/2194
最後になりますが、地域と学校の協働については、地域の方はほぼボランティアで参加することが多いと思います。
だからこそ、参加する会議や熟議(ワークショップ)では、自分が貢献できていると実感できることが大切です。でないと、「私がいなくてもいいのでは」と、会議、ひいては活動自体に後ろ向きになる場合があります。
「自分が役に立っている」という実感ある。加えて、学びがある、楽しい、出会いがあるなどの収穫があればさらに良いですよね。
楽しいし、また行きたくなる熟議(ワークショップ)の工夫をみんなで知恵を集めながら進めていきたいです。