未来にふみ出す学びを 子どもたちへ

お知らせ・活動レポート

【みらいZOOM12】探究活動で本物の学びを実現する

2018年05月04日 更新

次期学習要領では、「探究」の視点が重視されています。

 

高校では、「総合的な学習の時間」→「総合的な探究の時間」となり、新科目にも「探究」という言葉が加わるなど、
答えのない問題に向き合い続ける探究活動は、これからの複雑化・多様化する社会ではますます求められてきます。

 

「探究をやるのは難しそう」、「目の前の生徒は基礎的学力がないから探究できない」と思われる方もいるかもしれませんが、
娘である2歳児を見ていると日々探究の連続のようです。

最近は、大地に生えている植物を一心不乱にむしり、それを風に飛ばしてどうなるかを見る探究活動に励んでいます。

彼女のように、誰しも幼い頃は探究心や好奇心であふれていたと思います。

 

 

 

いったいいつ、どんな働きかけで、
その探究心や好奇心が閉じてしまうのでしょうか。

それは、やはり身近な「大人」の教え方、問いかけ方、声のかけ方が原因と思わずにはいられません。

 

 

「探究」の本格化に向け、みらいずworksでは、

どんなアプローチで「探究」を学校現場や中高生に届けらえるのか実践&振り返りを重ねており、
まさに探究をしています。

 

そこで4月28日(土)に大正大学の浦崎太郎教授をお招きして、勉強会を行いました。

 

勉強会に来られた方は、探究活動を進める学校教員や教育行政の方ということで、
みんなで下記の本をABD手法で分担して読み、対話しました。

 

「PBL 学びの可能性をひらく授業づくり-日常生活の問題から確かな学力を育成する-」
(L.トープ・S.セージ/2017/北大路書房)

PBLは、Problem Based Leaningの略で、
複雑な現実の問題に対する探究とその解決を中心に据えて集中して取り組む、体験的な(身も心も使った)学びです。
PBLは、カリキュラム編成と指導法という補い合うプロセスからなり、次の三つの大きな特徴をもっています。

・学習者は、問題をはらむ状況の中で、利害関係者として問題を解決する。
・教師は、学習者が自分と問題とのつながりを感じながら学べるように、適切な方法を用いて、包括的な問題を中心に据えてカリキュラムを編成する。
・教師は、学びの環境を整え、学習者の思考をコーチし、探究活動をガイドして、深い理解へと促す。

(本文 P18より引用)

 

浦崎先生が第3章を読んで、従来のものと比較して書いたサマリーがこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

この本を読んでいると本物の学びとは何か、考えさせられます。

訳者のまえがきにグッときました。

「PBLの中で私たちは、学習者の心に火を点け、学習者の学びのペースに伴走し、学習者が自力が歩き始めたら姿を消すコーチや監督のような役割だ。〜(一部省略)〜自信をつけてワクワクと試合に向かうように、学習者たちが意気揚々と社会へ巣立っていくことが、PBLの最終ゴールである」 

 

まえがきが示しているように、
意気揚々とわくわくしながら、社会に巣立っていけるような「学び」の実現を目指していきたいものです。

 

PBLのカリキュラム編成や授業をつくり出す方法、コーチングや評価の仕方など、
本物の学びをつくるエッセンスがつまっていますので、ぜひ多くの先生方に読んでいただきたいです。

 

その後は、自身の取り組んでいる授業やプロジェクトを持ち寄って、
お互いにアドバイスしたり、浦崎先生に相談にのっていただく時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

浦崎先生のお話では、うなづくことばかり。

・これからの社会で求められる力は「イメージを共有する力」目指すイメージを共有すると、注力すべきことが見えてくる。そこで大切となるのが対話力。

・従来コーディネーターは、互いの利害や背景を理解して通訳するスーパーマンが求められていたが、これからは、参加や対話を促す場をつくることがコーディネーターの大きな役割になってくる。

・参加や対話を通して、イメージを共有し教育に当事者意識を持つ人を増やし、人づくりの環境を地域につくること。それなくして、教員の働き方改革も、AIに負けずに社会で生き抜いていく子どもを育てることも難しい。

 

などなど、シンプルにわかりやすく、そして、構造的に教育の課題や可能性を語ってくださいました。

 

地域に開かれた探究活動、

そして、

地域と学校が対話を通してイメージを共有する(共有ビジョン)場づくりを突破口に、
みらいずworksも社会に開かれた、本物の学びづくりに果敢にチャレンジしていきます。

 

ちなみに、チャレンジした結果やノウハウは、
みらいずTEXT SERIES第二弾としてテキストにまとめる予定ですので、ご期待ください♩