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【活動レポート】総合学習をリファインして学校をもっと元気にしよう!フォーラム

2018年04月02日 更新

こんにちは!みらいずworksスタッフの河合祥希です。

2月18日、新潟青陵大学にて「総合学習をリファインして学校をもっと元気にしよう!フォーラム」を青陵大学の岩崎先生をはじめとする実行委員会主催で開催いたしました。
総合的学習を再活性化する中で、教員・地域・地域教育コーディネーターが協働しながら学校が元気になるモデル探求する一日となりました。その様子をご報告いたします。

まずは導入ワーク。「自己紹介ゲーム」を行いました。ハイタッチをしながらの自己紹介に会場の雰囲気が盛り上がりました。

次は岩崎先生の研究発表と問題提起です。岩崎先生の研究発表では「総合的な学習の時間」を教職員と地域コーディネーターとの連携に着目し、それぞれへのアンケート調査から統計的な分析によって見えてきたものを発表していただきました。そしてこれ以降のフリートークやテーマセッションにつながる、「リファインのポイント」を提示していただきました。具体的には“教員と地域コーディネーターの協働”と、“総合学習の充実感”には大きな相関が表れていることが明らかであり、協働のシステムをどうつくっていくかを考えることが重要であるというお話をいただきました。

続いて、開かれたパネルディスカッションを行いました。まずは、総合学習の実践を3名のゲストから発表していただきました。

金先生のお話では実社会に内在する問題をテーマにすること、その問題に本気で取り組んでいる大人とコラボすることを大切にしているというお話をいただきました。そして、教員も先の見えないものに対して一緒に歩むイメージをもって活動することを心掛けていらっしゃるとのことでした。私は金先生のお話の中で「生徒が何らかの社会の問題に直面したとき、何もせずにいられないという状況になるときにやっと総合学習が始まる」という言葉に大きな衝撃を受けました。

山本先生からは総合学習に全校体制で取り組んだ事例を発表していただきました。印象に残ったのは「教員は任せると本気で取り組み工夫をし始める。」「教員の本気に出会うと生徒の心に火が灯る。」という言葉です。また、生徒の学びが他の誰かに役立つ仕組みづくりが大切であるというお話もしていただきました。先ほどの金先生からは、「総合は一人ではできない。どのように協働するかが課題」というお話がありました。山本先生の実践では、全教員がいきいきと総合学習に向かって取り組んでいる様子が伝わり、教員同士による協働のヒントを垣間見ることができました。

宮崎先生からは防災・地域・自分の未来など様々な切り口からの実践例を多数ご紹介いただきました。そのなかでも特に地域との協働の在り方についてのお話がありました。地域を手足として使うのではなく、「アイデアを創発しあう仲間」として共に取り組むことを大切にしているという部分が印象に残りました。実際の問題に対して現実的に行動することで地域の方々からも「やってよかった」、教職員にも学びになる活動を探求しておられるとのことでした。また、生徒からの声をひろって最初の一歩を踏み出すという部分に生徒主体の総合学習のポイントを感じることができました。

宮崎先生の発表の後、岩崎先生の研究発表によって生まれた問いや総合を進めていくうえでの悩みを付箋に書き出し、集類したものをもとにゲストのフリートークを行いました。会場からあがってきたリアルな悩み・疑問に対しゲストの方々と共に考え、会場には次のテーマセッションにつながる良いモヤモヤ感が充満する時間となりました。

休憩をはさみ、課題によるテーマセッションを行いました。今回は以下の4つのテーマについて参加者が話し合いたいテーマごとに分かれセッションを行いました。

 ・「総合的な探究」に向けて、高校の総合的学習をどう活性化していくか

 ・教科での学びを活かし、総合的学習で「深い学び」をどうつくるか

 ・教員と地域・コーディネーターでどう役割分担していくのか

 ・総合的学習を核に小中高連携を進めていくために必要なことは何か

 ・学校と地域がwin-winになる総合的学習をつくるために、どんなプロセスが必要か

それぞれの班で「現状」「理想」「手の打ちどころ」という観点で検討し一枚の模造紙にまとめました。

 

そしてその後、プレゼンタープレゼンでほかの班の発表を聴き、チームに戻って感想共有を行いました。参加者からは、「学校の中に留まっていないでもっと公民館など、外にでていかなければなあと感じました」「元気に活動している人、頑張っている人に出会うことができてやる気が沸いてきた」「公民館としては中学・高校の子たちと関わりたいけど関われないということが悩みだった。でも、先生たちとどう地域と学校が関わっていくかということを一緒に考えることができ、具体的な行動につなげられそうだ。」といった感想があがっていました。

 

最後に岩崎先生より総括をいただき、終了となりました。

 

今回のフォーラムによって総合の重要性を再確認し、そのうえでより良い総合をつくるために地域・学校・教員・生徒がどのように連携していけばよいのかということに対して深めることができました。このフォーラムをきっかけに各方面での新たな協働が生まれ、「総合的学習」を起点として学校を、地域と共により元気にしていけたらと思います。

 

【河合祥希】