【みらいzoom11】地域みんなで子供たちの未来を拓くワークショップのすすめ
2018年03月30日 更新
文科省の調査研究事業として「地域みんなで子供たちの未来を考えるワークショップ」という冊子に記載してあるプログラム開発に関わったのが2014年〜2015年。
株式会社ノースプロダクションの近江正隆さんに声をかけていただき、全国各地の教育コーディネーターや専門家の皆さんらとともに作り上げました。
コミュニティスクール立ち上げ推進や社会の変化、教育改革を背景に、
全国各地で子どもを核に、地域と学校が共に語り、ベクトルを合わせながら子どもたちを育てることが求められるようになっていたときです。
「地域とともに考えるワークショップのすすめ」をベースに、
「この地域の子供たちがこんな風に育ってほしい」というビジョンや想いを共有するワークショップが各地で実践されたそうです。
←こちらは、京都府南丹市に呼ばれて上記プログラムを運営した際の写真です
その後、みらいずworksでもコミュニティスクール立ち上げや地域に根ざしたキャリア教育のお手伝いを具体的にしていく中で、
*目指す方向を共有したあと、実際どのように授業や教育課程、地域活動に落としていくのか。もう一歩熟議が必要なのに、あとは学校任せになってしまっているのではないか。
*地域と学校の協働についてまだ腹落ちしていない教員も多くいて、負担感や形骸化につながっているのではないか。
*このままでは、コミュニティスクールが全国各地で立ち上がっても形骸化してしまうのではないか。
などなど、疑問がむくむくと生まれてきました。
そこで、「地域みんなで子供たちの未来を考えるワークショップ」の続きになるようなプログラムを開発することに。
地域との協働をどう社会に開かれた教育課程として落とし込み、マネジメントしていくかという観点から、学校の中から変化を起こすことができる先生にフォーカスしよう!
と「地域協働プロフェッショナル教員育成プログラム」と銘打ち、独立行政法人教職員支援機構の支援事業として2017年5月より事業をスタートしました。
「地域みんなで子供たちの未来を考えるワークショップ」を共に開発した株式会社ノースプロダクションの近江正隆さんや北海道教育大学釧路校の宮前耕史先生らと共に約1年間何度も話し合い、形にし、実際にやってみて、つくってきました。
開発したモデルプログラムを実践させていただいたのは、北海道浦幌町です。町内の浦幌小学校、浦幌中学校、上浦幌小学校、上浦幌中学校 4校のコミュニティスクール担当の管理職や教員、浦幌町の学校に赴任したばかりの教員、加えて、地域住民やコーディネーター、総勢約20名の方々を対象に実施しました。
実際にプログラム開発をしていく中で、おさえるべきポイントも見えてきました。
*なぜ、地域と学校の協働が必要なのか、腹落ち感や危機感を共にすることが大切。
*教員は一人で授業を組み立てることが多く、みんなで知恵を集めて考えるとよりよい教育活動ができるという実感をもってもらうことが協働の一歩になる
*一度誰かがつくった目標やビジョン、カリキュラムは年々形骸化していくので、そこに命を吹き込み、一人ひとりの教員や住民の自分事化をはかる
*地域協働には熟議や対話が必須。地域協働により教員の対話力が高まり、主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善にもつなげやすい
*小・中9年間のカリキュラムを検討すると中1ギャップ防止や学習内容の取捨選択がしやすいことに加え、一貫した目的で地域活動を実施しやすい。
などなど。
教員も住民も、地域と協働する面白さや楽しさを感じ、
それが子供の成長や変容にもつながるという実感を生むことが
次なる協働の循環を生み出すことに改めて気付きました。
その循環の中核になるのが「熟議」=共に考えること です。
熟議では、主にPDCAサイクルを回していきます。
とくに地域と学校の協働でおろそかになりがちなのは、ふりかえり、つまりCheckの熟議をすることです。
子供たち同様に、わたしたちも大人も学び発展することが必要です。
学ぶべきこと、改善し発展すべきことは、Check、
つまり振り返りの中で見えてきます。
前年と同じではなく、
前年よりもよいものを
子供たちの豊かな学びの環境をつくるためには、
大人たちも学び、協働のあり方や進め方を、目の前の子供たちに合わせて、
今いる大人たちの知恵を集めて、より発展させていくことが必要ではないでしょうか。
今回プログラムを開発した中で見えてきた、
熟議のテーマや大まかな流れを
「地域みんなで子供たちの未来を拓くワークショップのすすめ」
(A4サイズ、20ページ)として形にすることができました。
※限られた紙面の中で、進め方の詳細や注意点など十分に書けずに残念でした
こちらより、ダウンロードいただけます。
https://drive.google.com/file/d/15s8fM07scxWtXpN6r9lF027S1ASZJz6i/view
プログラムはSTEP9までありますが、一部だけの実施でも可能です。
こんな方にオススメ!
*管理職の方には:
・コミュニティスクールの立ち上げをするが、どのように進めたらよいかわからない
・地域学習を中核にしたカリキュラムマネジメントをしたいと考えている
*総合的な学習の時間や地域連携担当教員の方には:
・地域と学校の連携は十分進めているが、前年踏襲で活動に対する目的が不明確になるなど、少し形骸化を感じている
・地域資源もわからず、地域学習のテーマも自分ごとになっていない教員が多くいる
*研究推進メンバーの方には:
・学校内の同僚性や協働性を高め、これからの学びをつくれる教員集団をつりたい
*地域教育コーディネーターの方には:
・言われたことをするだけでなく、先生と一緒によりよい地域学習をつくっていきたい
・地域連携をもう一歩協働まで促進するための進め方やノウハウを身につけたい
子どもたちの未来を拓くために
進め方をもう一歩知りたいという方は、お気軽にお問い合わせください。
全国各地で、さらなる地域と学校の協働が進み、子供たちの学びがより豊かに、より未来につながるために。
ぜひ、大人たちが学び、改善し、協働をより進めていく、発展させていくためのワークショップとして、ご活用いただけますと幸いです。