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お知らせ・活動レポート

【みらいzoom 10】寿命100年時代、学びはどう変わる?

2018年03月01日 更新

「LIFE SHIFT」(リンダ・グラットン/東洋経済新報社/2016)

という本を読み、

これからの学びや教育のあり方について、いろいろと思索を深めています。

 

寿命100年時代と言われていて、

2107年には半数以上が100歳よりも長生きすると言われています。

ちなみに、2007年に生まれた現在12歳の子どもの平均年齢は107歳、

現在55歳の人の平均年齢は83歳という予測です。

 

100年生きることや社会の変化を前提に考えると、

従来の教育→仕事→引退という3つのステージという縛りから自由になり、

もっと柔軟に自分らしい人生を送ることができるようになるそうです。

 

100年人生では、マルチステージと言って、会社で仕事をするだけでなく、ボランティア活動をする、大学等で学び直す、自分で会社をつくる、放浪する、子育てをするなど、いろいろな経験やステージを経て、今まで以上に自由に楽しく生きていくことができるかもしれません。

 

私自身も、大学や他地域での学び直しをしたいと考えていますし、

様々な人が一つの歩み方に縛られるのではなく、やり直したり、再度チャレンジしたりできる選択肢が広がると思うと希望を感じます。

 

マルチステージにおいて必要となるのは、

有形資産(お金など形に残るもの)に加え、無形資産が3つあるそうです。

 

1.生産性資産:人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のこと。(スキルや知識など)

2.活力資産:肉体的・精神的な健康と幸福のこと。(健康、友人関係、家族との良好な関係など)

3.変身資産:100年ライフでは大きな変化を経験し、多くの変身を遂げる。そのために必要な資産のこと。(自分への理解、多様性に富んだ人的ネットワーク、新しい経験に対して開かれた姿勢など)

 

とくに変身資産が従来にない視点で、私自身新しい経験にいつも開かれていたいと思いましたし、内省の時間もとりたいと改めて思います。

 

マルチステージを歩む子どもたちには、上記のような無形資産を身につけて、たくましく歩んでいってほしいです。

 

では、100年ライフをイキイキと生きていくために、どんな教育や学びが必要なのでしょうか。

 

本書では、以下の3つが教育や学びについて示唆していた内容の抜粋です。

 

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テクノロジーがさらに進歩した時代に、教育と学習と研修がキャリアを後押しする方法は3つある

・新しいアイデアや創造性を育むのを助けること

・人間ならではのスキルと共感能力を発揮できるようにすること

・思考の柔軟性と敏捷性など、あらゆる分野で通用する汎用スキルを育むこと

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カリキュラムの面では、経験学習にいっそう力が入れられる。思いやりや創造性の涵養に役立つ活動に取り組み、曖昧で不確実な状況での判断力と意思決定能力を身につけるためだ

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マルチステージの人生を送る人は、人生の様々な時期にスキルを学び直し、活力を取り戻さなくてはならない。そこで、そのために教育機関を利用するだろう。それが教育の形を変えていく。〜パートタイム教育の重要性が高まるに違いない。〜異年齢のふれあいが増えれば、年齢層の異なる人の間に深い友情が形成され、「我々」と「彼ら」の境界が崩れ始める。

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これを読んで改めて、これからの教育や学びに必要だと思った学びのあり方は、

以下の3つです。

・どこでも通用する能力を育む教科横断的な深い学び

・一人ひとりのリアルな経験からはじまる探求型の学び

・異業種、異年齢の人たちと開かれた環境でのごちゃまぜの学び

 

 

こう書いていると、

次期学習指導要領の目指す方向性に通じます。

 

こういう学びの中では、

自分とは何者か、

なんのために生きるのか、

どこに向かおうとしているのかという内省や哲学をしながら、

自らの学びをデザインすることが重要になります。

 

まさにキャリア教育の視点です。

 

それは、子どもたちだけに必要なわけではありません。

 

私自身もそうですし、親や教師も含めた大人こそが

自分の進むべき道に向かって、学びをデザインし、

学びや人生の主体者になることが求められています。

 

 

アクティブラーニングの第一人者である小林昭文氏は、

「授業改善は、今までの授業を変えるので、教員にとっても変身資産を蓄えることができる。教員自身の未来の準備もできる」とおっしゃっていました。

 

まさに、変化に向けて、子どもを取り巻く大人や教師が変わり続けることは、

100年ライフを生きる上で重要な機会になるということです。

 

 

そんな大人たちが未来に向けて歩み出すサポートをしたいと

2018年のみらいずカレッジは、

「LERNING SHIFT」をメインテーマとしました。

 

変化の激しい社会を生き抜く、子ども・若者たちには、どんな学びが必要なのか。そして、私たち大人にはどんな学びの転換が求められているのか。

 

未来を見据えて、子どもたち、そして自らの学びをデザインする中で、

これからの学びの理想が自分の中で見えてくる、そこに向かうためのあり方や技能が身にくような、プログラムをつくりました。

 

3月末にはオープンにしますので、ぜひみなさま、ご参加ください。

一緒に100年時代の学びについて探求しましょう。

 

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第1期「みらいずカレッジ2017」の報告レポートもご覧ください

キックオフ
http://miraisworks.com/1188

第1講〜探究の問いづくり編〜
http://miraisworks.com/1335

全体ギャザリング
http://miraisworks.com/1830

 

※第2講、第3講は、ただいま更新に向けて原稿作成中です!