【活動レポート】新発田中央高校授業改善プロジェクト
2018年02月05日 更新
学習指導要領の改定で示されている「カリキュラム・マネジメント」では、先生方の組織横断・教科横断の対話や、授業の実践と評価・改善を繰り返していくPDCAサイクルを回してくことが求められています。
新発田中央高校では、こうした変化を背景に平成29年度より授業改善を学校全体で取り組むべく研修の場を設けることとなり、みらいずworksでプログラム作成や対話の場のお手伝いをさせていただきました。
2月に今年度の締めくくりを迎えたので、これまでを振り返り実践をご紹介させていただきます。
授業改善のスタート
先生方には、まず授業改善でどのような授業を行いたいのか、そしてどのような生徒を実現したいのかを話し合っていただきました。グループで出たものを全体で共有し、見えてきた要素から自身の授業に入れたい要素を選んでいただきました。
また、アクティブラーニング型授業に活かせるファシリテーションの手法やKP法(紙芝居プレゼンテーション法)をご紹介し、体験していただきました。
直近で実施予定の授業を題材にし、アクティブラーニング型授業とするための計画を考え、教科の垣根を越えて共有・フィードバックをしあっていただきました。この後、先生方は公開授業にもチャレンジし、お互いの授業を観察シートを使って見学してもらいました。
授業改善のふりかえり
公開授業を実施後は、実践の振り返りの場を設け、見学をされた方々で意見交換。ここではダメ出しではなく、相手のチャレンジを尊重したポジティブフィードバックが基本です。
そして中間振り返りでは授業改善に挑戦したことでどのような気づきや変化があったか、課題が見えてきたかを振り返っていただきました。
公開授業をされた先生、AL型授業に挑戦された先生がお互いの実践を評価しあうだけでなく、これから実践しようとする先生方にとっても刺激となる話し合であったように思います。
中間振り返り後、次なるアクションとしてさらに公開授業期間を設け、最後の振り返りの場です。
一人ひとりの実践で得られた経験を共有し、対話を通して集合知を紡ぎながら、授業改善の取り組みの本質について話し合いをしていただきました。
「授業改善は教員のためではなく生徒のため」「生徒ができる・わかるとなれば、自信がつき自己肯定感につながるのではないか」
こうした素晴らしい言葉が出たのも、個人個人が感じる変化を意識しながら、取り組みの先にあるものを教科や学年を越えて、皆さんで話し合ったからこそ出てきたのではないでしょうか。
正解のない対話のなかで、改めて授業改善の意義を全体で共有することができました。来年度、さらにステップアップされることを祈っています。
さいごに
「やらなければならない」という理由からでは、人はその目的や意義を見失うことが多いもの。実践に至らないことも少なくありません。
私たちは何かと結果を急ぎがちですが、一段飛ばしで登ろうとすれば、そこには摩擦はつきもの。時間はかかっても、やはり対話と実践の繰り返しこそが組織全員で変化と成長の階段を登る一番の近道なのだと、今回の取り組みを通して感じました。
こうした取り組みを通して育まれた関係性は、授業改善のみならず、キャリア教育や地域連携など様々な場にもつながっていくことを願っています。
みらいずworksでは、今後も授業改善に取り組む先生方をサポートしていきたいと思います。
【山本一輝】