【みらいzoom7】子どもの志は地域・社会で育む
2017年10月05日 更新
新潟市教育フォーラム2017〜大好きにいがた体験事業発表会〜にて、
第2部トークタイム「未来の新潟を担う子どもたちに」をテーマに、
新潟市市長と新潟菓子司 丸屋本店の本間さんとお話をさせて頂きました。
市長の問いに対し、どんな話をしたのか、一部ご紹介します!
【市長の問い】
Q:子ども時代、新潟の魅力を語れていたか?
・私は、新潟市の西区小針に生まれ育ちました。小針の人に育ててもらったというご恩が今の力にもなっています。しかし、以前の私は、地域の魅力を語れませんでした。20歳のときに初めてイギリスに留学に行ったとき「あなたはどんな町で生まれ育っての?どこが魅力なの?」という問いに全く答えられなかったことを思い出します。
・今は、新潟市の大好きにいがた体験事業を始め、総合的な学習の時間で地域学習をさかんに行っています。第一部で行われた小中学校の実践発表では、地域の魅力を自分の言葉でイキイキと話す子どもたちがたくさんいました。豊かな体験がある、素敵な大人と出会う、そこから何か発信することで、深い学びが生まれる。それは、自分の言葉で自分の地域の魅力やその背景にあるものを語れるということなのだと再確認しました。
・丸屋本店の本間さんは、群馬県ご出身だそうです。群馬の子どもたちは、必ず「上毛かるた」を暗記しているのだとか。それは後々の誇りになるそうで、必ず群馬県人からは聞く話です。新潟市の子どもたちは必ずこのことは語れるという共通のテーマが一つ、二つあっても良さそうだと伺っていて思いました。
【市長の問い】
Q:具体的な取り組み支援の中で感じていることは?
・次期学習指導要領において、総合学習で大切な見方・考え方として示されているのは、「比較・関係づけ」、「俯瞰すること」、「生き方につながること」です。
*比較・関係づけ:関係づけて新たな考えを発想する
*俯瞰:ふりかえりの場面で、自分の活動を俯瞰して、より深い学びにつなげる
*生き方につながる:体験を自分の生き方や日常につなげていく
・比較・関係づけという視点で言うと、今まで関わった子どもたちは、地域の方やプロの職業人の視点からのアドバイスで、発信やアウトプットの質がぐんと伸びます。多角的に考えるためのヒントを与えてもらうことで、子どもらしさのオリジナリティとプロの目から見た現実性が見えてきます。その中で、どうしたらもっとよりよくなるだろうって試行錯誤する時間が大切だと思います。
・一旦自分たちはまだまだだなーと思うこと「無知の知」は学びのスイッチが押されるチャンスでもあります。プロや大人の取り組みと自分たちの活動を比較して、自分に足りないこと、もっと学ぶべきことに気づきます。
【市長の問い】
Q:小学校は地域学習、頑張っていると思うけれど、中学校や高校の地域学習について、まだまだ課題があると思います。どうあったら良いと思いますか?
・現在、高校生向けの「新潟魅力創造事業」に携わっています。
中高生には、資質能力を育むだけでなく、「もっとこうやりたい」「社会をこうしたい」という志を育むことが必要ではないでしょうか。人間の仕事がAIにとって代わられると言われていますが、「思い」や「志」はとって代えられないと思います。それを育めるのは、やはりリアルな地域や社会が必要です。志や思いを持った大人と出会うこと、それにより、地域や社会を様々な角度から見ることができます。また、体験のなかで、自分の行いが褒められた中から自分の「思い」や「志」に気づくこともあると思います。
・「商店街を元気にしたい」と思ったら、どんな大学や学部に行けば良いのか?例えば、経営学、建築など。学問や領域につなげていく。
「そうなると建築には、今やっている数学とか物理とかは大切だな」と、今やっている学びに価値が生まれてくるし、学習意欲にもつながる。
・高校は人数が多く、地域というエリアも漠然としている、時数が少ない、地域と連携するノウハウが少ないという点からも高校だけに頼るのは難しいと思う。地域側からも「インターンシップはやれるよ」「ボランティアしてほしいな」など、もっと高校生を頼ってほしいし、声をかけていってほしい。みらいずworksとしてはそこをつないだり、ベクトルを合わせてマッチングできるようにしていきたいです。
【市長の問い】
Q:大好きにいがた体験事業や新潟地域魅力創造事業、子どもたちに期待することは?
・子どもたちに伝えたいことは、学校で地域とつながる場、地域に発信する場を与えられなくなっても、高校・大学に行っても、自分が疑問に思ったこと、もっとこうしたらよいのにと思ったことに対して、自分から動き出してみてほしい。その中で自分が人生かけてやりたいことや志・目標を自分で育んでいってほしいです。
・大人は、子どもたちがそれをできる環境をつくったり、出会いの場を演出したり、失敗しても大丈夫な受け皿をつくっていくことが役割ではないでしょうか。みらいずworksでは、その仕組みや環境づくりに、今後も邁進していきたいと思います。
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今回教育フォーラムに登壇してみて感じたことは、子どもたちの夢や志を育むには、周りの大人たちがどうあるかが重要であるということです。
かっこいい大人、本気で向き合ってくれる大人に子どもたちは憧れ、将来の自分と重ねます。
私たち大人の生き方や関わり方が新潟の子どもたちの未来をつくると言っても過言ではありません。
大人は、ぜひ子どもたちに本気で向き合い、夢や志やを語ってほしいです。
そして、私ももっと語ります。
子どもたちに夢や希望を感じてもらえる一人であろうと、立ち上げ当初の初心を思い出しました。