【活動レポート】みらいずカレッジ2017:第1講〜探究の問いづくり編〜
2017年10月24日 更新
みらいずworksが今必要だと思う「これからの学び」を共に考え、深め、つながり、創りだす実践的な学びの場、みらいずカレッジ。
6月にキックオフイベントを終え、2017年7月30日(日)に第1講〜探究の問いづくり編〜を開催しました。
*キックオフイベントの様子はこちら→http://miraisworks.com/1188
第1講では、吉田新一郎氏(ラーンズケイプ代表)を講師にお招きし、
・子どもが自ら考えるようになる、問いや問題意識をつくるには?
・子どもと教員の学びを主体的で対話的な深い学びへ転換するには?
をテーマに、”発問ではなく、質問づくり”について学び・探究しました。
参考図書:「たった一つを変えるだけ −クラスも教師も自立する『質問づくり』−」ダン・ロススティン&ルースサンタナ著/吉田新一郎・訳
以下、内容をダイジェスト版でお届けします。
まずは、みらいずworks代表理事の小見より「みらいずカレッジ2017」のオープニング。
カレッジに込められた想いや、学びのゴールイメージについて語りました。
今回、第1講〜3講の連続講座を通して「”深い学び”を実現する、探究学習とは?」というテーマに迫ります。
第1講は、県内外の小・中・高・大学の教員(管理職含む)、行政、企業、学生と、
多様な立場の参加者が約30名集い、学びを共にしました。
講師の吉田新一郎氏にバトンタッチし、いよいよスタートです。
はじめに、「今日の研修への期待/『質問づくり』への質問」を個人で書き出し、全体化しました。
その後、フリースペースを使い立ち上がりながら、
現時点での自分の質問づくり・授業づくりについての考え方を振り返ります。
そしていよいよ、質問づくりの体験!
「質問づくり」で重要となるのが、”これまでのように教師が発した質問に生徒が答えるのではなく、生徒が自らの質問をつくり出せるように導くことが大切だ”という考え方です。
この生徒が自ら質問をつくるプロセスを「質問づくり」といい、以下の7つのステップがあります。
- 質問の焦点(=テーマ・思考の呼び水となるもの)の提示
- 質問づくりのルール(*)の共有
- できるだけ多くの質問をつくる
- 質問を改善する(closed questionからopen questionへ)
- 質問に優先順位をつける
- 質問の使い方についての指導 ※学習の目的に応じて
- 振り返り(学んだことは何か?等)
*質問づくりのルール:
①できるだけたくさんの質問を出す
②(それらの質問について)話し合ったり、評価したり、答えを言ったりはしない。
③発言のとおりに質問を書き出す。
④肯定文として出されたものは疑問形に転換する。
今回は「探究学習を阻むもの」という質問の焦点で、
質問づくりを実際に体験してみました。
実際に質問づくりのプロセスを体験してみた後、
「質問づくり」についての気づきや、もっと深めたいことを振り返り、
午前中のワークが終了。
お昼休みに、参加者の方の質問にコメントしていくワークも行いました。
後半はグループチェンジして、「質問づくり」をどんな風に活用していきたいか、
具体的なプランを考えていきます。
ワークシートを基に個人で考えた後、グループでシェア。
他の現場でのアイデアを参考に、実践プランを練ります。
出来上がったプランを、「大切な友達」というワークで検討しました。
*大切な友達
(発表者に対して、)
①とにかくよく聞く
②聴いていて分からなかったこと質問する
③聴いていて良かった点を伝える
④悪いと自分が思った点を改善するための質問をする
⑤やりとりして一番心に残っていることを、愛を込めてメッセージとして書く
単なる指摘ではなく、質問として投げかけることで、
素直に伝えることができ、受け止める方の考えも促されます。
最後に「質問づくり」に対する更なる問いを出し合い、チェックアウト。
良い問いは、ずっと引きづられる問いだと吉田先生は言います。
人をつなぎ、関係性を深め、変化を生み出す。そんな「問い」の尊さも感じた場でした。
*参加者の声
質問をするスキルは本当に大切だと思います。与えられた質問に答えるだけでは自分で自分の人生を切り開いていけません。とある対象(焦点・テーマ)を前にして質問がつくれるというのは、すなわち、興味・関心がある、批判的思考ができる、問題意識がある、ということでもないでしょうか。
今後、授業の中で「質問者」を教師から学習者にシフトできるポイントを見つけ出し、実際に質問づくりの7ステップを実践してみたいです。自分自身もまだ全てのステップを体験していないので、まずは、カリキュラムに縛られていないEnglish Clubでプレゼン大会の発表内容を話し合う際にやってみたいと思います。(「国際理解教育」が大会のテーマなので、シンプルにそのキーワードを「質問の焦点」として何でも思い浮かぶ質問を出していく、そしてその中の質問に優先順位をつけて発表のために調べたいことなどを検討していく…というプロセスを想定しています)
【高校・英語教師】
*参加者(学生4名)の学びレポート
みらいずカレッジレポート①
みらいずカレッジレポート②
みらいずカレッジレポート③
みらいずカレッジレポート④
第2・3講も、引き続きどんな探究の場になるか楽しみです!
ご参加いただいた皆様、講師の吉田先生、ありがとうございました。
*参考(吉田先生のブログ)
PLC便り:http://projectbetterschool.blogspot.jp
【角野仁美】